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「おっふろ、お風呂~♪」

 

夜宵が軽快な声と足取りで歩く

その後ろに千草、斎、幟月と並んで玖雨、そして見知らぬ女性がついて行く

 

玖雨「お風呂如きであそこまで楽しめるなんて子供か、なの」

 

夜宵「アンタにだけは言われたくないわ」

 

心外だという風に振り向いてから吐き捨てる

立川一家が今居るのは某県にある温泉宿である

それというのも商店街の福引で、夜宵が特等を当てたからというのが事の発端である

 

幟月「温泉なんて一二三さんと行って以来だな」

 

と目を瞑って回想している幟月に斎が問い掛ける

 

斎「あの、お姉ちゃん。出発前から気になってたんだけど・・・後ろの人、誰?」

 

「ふむ、妹ならすぐに気付くと思っていたのですが私の計算違いでしたか」

 

斎「え゛・・・まさか」

 

幟月「そいつは六耀さ、一人だけ留守番というのも可哀想だからね。代用ボディを造ってAIを移し変えてみたんだ」

 

六耀「しかしこの体だと何時もと感覚が違いますから新鮮ですね。良い経験になりそうです」

 

その表情を作る事を模索している六耀を見て、斎は取り敢えずあまり考えない様にした

そして幟月の凄さを改めて実感した

 

所変わってお風呂

お約束といえる夜宵のお風呂特攻を、涼しい顔で征した千草は只今幟月の背中を流していた

そして斎は夜宵に説教中

 

斎「体を洗ってからじゃないと温泉に入っちゃいけないのは皆が知ってる事ですよ?」

 

夜宵「はい、ごめんなさい。温泉入れるってテンション上がってました」

 

斎「自分よりちっちゃい玖雨ちゃんの方がしっかりして・・・」

 

タオル

タオルとは頭に乗せたり体に巻く物

よく知られている事だが、温泉にタオルを沈めるのは成分が変わるとかの理由でご法度である

だがそこにはタオルを体に巻いて温泉に没しようとしている玖雨の姿が

 

斎「玖雨ちゃん?」

 

そのあまりにも穏やかな声を聞いて、ギギギと首を回した玖雨の顔は得も言われぬ表情を形作っていた

後に彼女は震えながらも語る

「一番恐いのは身内なの、その事がしっかり身に染みたの」と

 

幟月「温泉だからと緩むのは分かるが、節度とマナーをもって楽しみなさい」

 

その豊満な、年齢を感じさせない豊満なボディを惜しげも無く披露しながら幟月が諭す

一世代前の言葉で表現するならグラマー美人と言うべきか

言うなればボンキュッボン

斎は無駄だと知りつつも己の胸を見て「先輩に揉んで貰おうかな」と小声で呟いた

 

お風呂の中全ての攻撃に対して無防備になってしまう環境

誰もが和み、緩みまくり、普段出来る事を出来なくさせてしまう

なので・・・

 

夜宵「ちょ、ちょっと千草お姉ちゃん・・・手ぇ止めてよ・・・(////」

 

千草「?、妹の成長を確認するのは姉の役目だと思うのですが?」

 

夜宵「そうじゃなくて・・・いや、そうなんだけどね。揉む必要性は何処に・・・んぁっ」

 

六耀「人間の五感の一つ・触覚は視覚よりも情報量が多い。ならば揉む事こそ一番良い解決法でしょう」

 

千草「六耀もこう言っていますし、貴女は大人しく揉まれて下さい」

 

夜宵「六耀は絶対分かってないのに言ってるだけだから!だから・・・あ、ちょ、そこはダm・・・ふにゃぁ(////」

 

六耀「みっしょんこんぷりーと、ですね」

 

親指を立ててジト目な笑顔を作る六耀

流石人工知能、もう表情を作る事を覚えたか

その内千草を超える揉みテクを覚えそうである

夜宵を下した千草が次に襲うは幟月であった

創造主への反逆、千草も大いに悩んだ事だろう

 

千草「ドクター、胸の成長具合を確かめさせて下さい」

 

駄目だ、単純に成長を確かめたい人なだけだった

そこに苦悩は無いし、そもそもそういうのとは無縁だ

幟月も「別に減る訳でもないし」と揉む事を許可

 

千草「む・・・これは何と柔らかい。私の手がここまで沈み込むとは、これが女体の神秘というものでしょうか」

 

千草は不思議な物を見る様な目で感心していた

ふと己の胸を見下ろして、自分はここまで柔らかくは無いなぁと物思いに耽った

そんな彼女の胸は幟月と比べても遜色の無い巨乳に近い大きさだった

ただし幟月と比べると柔らかさは普通で、むしろ弾力の方があった

片手で幟月の胸を揉みながら、もう片手で己の胸を揉んでいる光景は一種異様だった

しかし両人とも気にしていない様なので、斎も突っ込み辛かった

 

玖雨「胸で判断するなんて人間として腐ってるの。一番大事なのは中身全部を愛せるかだけなの」

 

玖雨は湯船にアヒル船長を浮かべて遊びながら、今回最もまともな事を呟いた

 

終わり

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