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その姿はまるで天使の様で

その横顔は救世主の様だった

口端は物凄く吊り上っていたけど・・・

 

【四駆発苦】

 

震えが全身を駆け巡る

私はこれまで生きてきた中で

初めて恐怖というものを味わったのかもしれない

 

我最「震えてるのか?それは恐怖か?」

 

白帝「・・・・・・」

 

戯言を・・・

だが皮肉にも当たっている

多分、このままでは私は負ける

そして看板は奪われ、道場は無くなる

私は後悔するだろうな

自分がこんな体たらくだから、と

 

我最「そろそろ終わりにしようぜぇ?!」

 

我最の剣が振り下ろされ

私はここで死ぬんだって心の中で思った

だが振り下ろされる直前

その声は確かに聞こえた

 

「そこまでだ」

 

私はその時どんな顔をしていただろうか

喜びと恐怖が入り混じったかの様な表情だったのか

それとも安堵していたのか

 

白帝「・・・師匠」

 

そう、母屋に続く扉に立っていたのは

紛れもない私の剣の師匠であり

蒼黒神社の神主、如月蒼麻なのであった

 

蒼麻「お前、よくも俺の愛しき弟子を苛めてくれたな。三倍ならぬ五倍返しだゴラァ!」

 

私は安心した所為か意識を失う

眠りに落ちる瞬間、あの人は言ってくれた

「よく頑張ったな」

その一言だけで

私は自分が幸せだと感じれた

師匠、私は貴方に出逢えて本当に良かったです

死亡フラグなんて立ってないですよ?

 

 

「四巻」

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