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【八封画策】

 

それから二週間

憑き物が落ちた我最は真っ先に謝罪をした

乗っ取られていたとはいえ

剣術の禁忌とされる道場破り

それに加えて暴力行為

素の彼はそれを良しとしない性格だったのだ

そして我最は門下生になる事を頼んだ

それに対する蒼麻の答えが次の通りである

 

蒼麻「門下生にする事は認めるけどな・・・その前にやる事があるんじゃないか?人神流の汚名を返上するっていう仕事が」

 

我最「それは重々分かっています」

 

蒼麻「そんな泣きそうな顔するなよ、俺もついて行ってやるからさ。これでも各流派とは面識があるんだ」

 

まぁ40年も前の事なんだけどな

蒼麻は苦笑しながら付け足した

結果を言えば全ての誤解は解けた

蒼麻と面識があった先代は全員生きていたし

蒼麻を見るや否や昔話に花を咲かせる始末

曰く「こ奴が開いていた道場の門下生だったんじゃよ!」とか

曰く「如月、40年前の決着今こそ付けようぞ!」とか

曰く「何じゃ、そんな事なら最初から知っておったぞ。そんな事より酒盛りせんか?」とかあった

ちなみに上から、叢雲流、天地一心流、応鬼鉄堅流である

 

蒼麻「いや~、誤解が解けて良かった。つーか誰一人として根に持ってないって如何いう事だよオイ」

 

ソコが知りたい日本人とかそんな事を呟く蒼麻

そこに我最が一言

 

我最「これで門下生になる事を認めてくれますか?」

 

蒼麻「・・・・・・良いんじゃないか?」

 

それに笑って答えた

またもや真実を言おう

蒼麻の独断である

師範とはいっても稽古に一回も出ていない様な体たらく

発言力と決定力なんて無に等しい

まあ、早い話が帰ってから一悶着あった訳だが

それはまた別のお話

 

「八巻」

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