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影が居た

只の影だったらどんなに良かっただろうか

ソレは色んな所を渡り歩き

皆が色々な理由で隠している物を見付け出す

迷惑極まりない影だった

 

【その2】

 

ミラは膨大な思考の末に

結論がつかないと踏み、仕方無く城に帰って来ていた

 

リベリア「ミラ、私の隠していたチーズケーキ食べたでしょう!?」

 

ミラ「ちょ・・・開口一番に何よ、それは?!」

 

憤慨するリベリアの隣りにグラムが歩いて来る

 

グラム「地下で飼っていたドレッド(竜)が何時の間にか消えておりますが・・・」

 

冷や汗の垂れる様な事を言うグラム

竜種が逃げたなんて何処のギャグなんだと

 

ミラ「犯人は見ていないの?!」

 

そう言うと二人は互いを見て

同時に指を指した。・・・ミラを

 

ミラ「な・・・」

 

何となく予想はしていたが

こうして直面してみると些か項垂れる感覚である

やっぱり自分が起こしているのだろうか?

無意識?無自覚?それとも夢遊病の一種?

何にしても犯人の外見は自分なのだ

今の所の被害は隠していた物が見付かる→無くなるのパターンらしい

 

ミラ「誰が犯人だとしても、私の顔に泥を塗った事後悔させてあげるわ」

 

黒い笑みだった

真っ黒な笑みだった

今なら何でも殺せそうな程の笑みだった

 

「あらあら、もっと楽しませてくれると思ったのにな~。残念・・・」

 

背後から突然声が聞こえた

グラムとリベリアにとっては聞き慣れない声色

ミラにとっては聞き慣れた・・・いや、聞き慣れ過ぎた声色

 

ミラ「なんで此処に居るのよ・・・ミナ・・・」

 

驚愕の表情を浮かべるミラ

視線の先にはミラと瓜二つの少女が立っていた

 

ミナ「お久~、元気してたかしら?」

 

その3に続く

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