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【その6】

 

空にはこれでもかって言う程の大きさの竜が一匹

止まる事は無く頭上を通り過ぎて行く

ここで逃がせばもう夜の領域だ

それでは外に出て来た意味が無くなる

 

ミラ「ミナ、アレを止められるかしら?!」

 

ミナ「う~ん、ちょっと厳しいけどやってみるかな」

 

言うが早いかミナは大きく跳躍した

その到着点が分かっているのかミラは別段驚かない

降り立ったのは竜の頭の上

これから何をするかはミナにしか分からない

 

ミナ「おおぅ、絶景かな、絶景かな~♪」

 

ミラ「ちゃんとやりなさい(#^ω^)」

 

ミナ「分かってるって~。・・・それじゃあ、チョチョイとやり」

 

そこまで言ってミナの言葉は消えた

言葉通り“消えたのだ”

 

ミラ「な゛・・・」

 

ドレッド「グルルルル・・・『おおぅ!?いきなりのピーンチ!!ここから私は如何やって脱出するのか!!?』」

 

呑まれた

頭の上で立ち止まっていたから呑まれた

ドレッドからしてみれば少し・・・そう、ほんの少し頭を捻っただけである

そして足場が突然無くなったミナは

そのままの格好でドレッドに呑まれた

 

ミラ「ああ、もう!今助けるから待ってなさいよ?!―――万物の繋がりよ、」

 

ミナ「はい、ガパッと!問題ナッシングだよ、ミラ♪」

 

ミラは思いっ切りずっこけた

本当にこのバカ姉は~~~

 

ミナ「それでさ~、胃袋の近くで見付けたんだけど知ってる子?」

 

ミラ「は?」

 

ミナが抱えているのは同い年位の女の子だった

竜の胃袋に入っていたという事は

溶かされかけていたという事になるのだが・・・

ミラは見覚えがあったらしい

 

ミラ「ちょっ、ソレ竜種の本体!!」

 

こんな事を聞くと皆さんは閉口してしまい驚きを隠せない事だろう

そうなのだ、トウマの国の竜は

所謂着ぐるみみたいな物なのだ

だから本体が中・・・この場合は胃袋の近く・・・に居ても

何ら不思議な事では無いのだ

 

ミナ「如何考えてもおかしいけどね~(苦笑)」

 

ミラ「まあ、正論よね」

 

※キニスルナ

 

その7に続く

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