ドーファ「オイ、あれ、見てみろ」
イル「え・・・竜?」
テーゼ「ねえ、オド。式は何時にする?」
オド「そうだね。二週間後位に・・・?」
ルード「鋼竜か・・・斬り裂き甲斐がありそうだな」
しかし彼等は全く以って今回の物語と関係が無かった
一同「無いのかよ!?」
【その8】
央都が見えるか見えないかの距離に
鋼竜とミラ達は居た
リベリア「ホント、デカいなぁこの子・・・(呆れ)」
グラム「うむ、間接的にしか見た事が無いからな」
ドレッドを繋いでいた空間は
安全面を考え三重の格子で囲んでいたのである
故に直接的に触れた事が無い
むしろ触れるとじゃれて来るので危険度の方が高い
ミラ「でも、如何にかして処理しないといけないわ。運良く本体は外に出しているのだし」
そう言うとミナが笑顔で応答する
ミナ「うんうん、私のお陰だよね♪」
ミラ「同時に貴女の所為でもあるのだけれど」
ピキッ
笑顔のままミナは固まった
まあ正論である
最初から最後まで犯人は同一
イルミナがドレッドを逃がさなければ
こんな事態にはならなかった
・・・と、今はそんな事を追求している場合ではない
ミラ「私が翼と胴体の繋がりを絶つから、処理はお願い」
グラム「御意」
リベリア「分かったわ」
ミナ「中の国八千年の妙技、とくと思い知るがい~!」
ミラ「(何処よソレは・・・後、何気に増えてる気がする)」
ミラ「―――万物の繋がりよ、不変の存在よ。私が命ずる、『終(か)われ』」
超常的な力が働いた
目に見えない何かが竜の翼と胴体の間を駆け抜けた
確かに皮膚と皮膚がくっ付いていたのだ
ソレを
問答無用で
確実に
それでも血は流さずに
一陣の風に似たモノは対象を“裂いたのだ”
グラム「この様な時でないと抜けぬのでな。良い肩慣らしになるだろう」
抜き放つは己の背よりも高い刀
豪刀・屠骨
かの羅刹鬼が宿るその刀は
何者をも粉砕し、地に沈めるという
リベリア「久し振りに力を見せようかしら。少し体もなまってるし・・・ね?」
手には先程の超極細のワイヤーを握っている
それを瞬時に竜の体に張り巡らせる
その両眼は静かに澄み渡り、口は三日月形に大きく歪む
其は、狂わしき宴を催す者也
ミナ「みんな、がんば~♪」
グラム「――― 一閃」
リベリア「細切れになっちゃえ♪」
流石は歴戦の夫婦
通った後に生者は無し
そして、この事件は終わった
その9に続く