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それから数日後の事

イルミナはミラと共に改めて各方面に謝罪をして回り

ドレッドは本体が外側の10分の一程しかないので

普通に部屋が与えられ平穏無事に過ごしている

そして・・・

 

【その9】

 

ミラ「行くの?」

 

ミナ「うん、まあ色々と迷惑掛けちゃったし・・・」

 

ミラ「まったくよ」

 

ミナ「あはは・・・(苦笑)」

 

ミラ「今度会う時までに、その性格治しておきなさいよ?」

 

ミナ「うん、分かった!」

 

ミラ「まあ、治らないでしょうけど」

 

ミナ「手厳しいなぁ・・・(苦笑)」

 

それから・・・

身支度を終えたイルミナを扉の前で見送る三人

元気に走って行くイルミナ

その後ろ姿を見送り扉をパタンと閉めた

 

リベリア「元気な方でしたね」

 

ミラ「ええ、それだけが取り柄だもの」

 

リベリアの淹れた紅茶を一口飲む

今日も美味しい

 

リベリア「また会えるといいですね」

 

ミラ「あら、それは無理よ」

 

リベリア「え、何でですか?」

 

ミラ「言ってなかったけど、ミナは10年前に既に亡くなっているの。だからもう会うのは無理」

 

リベリア「え?・・・・・・・・・はうぅ」

 

リベリアが目をグルグルにして倒れた

その様を見ながらミラは一人ティーカップを片手に微笑む

 

ミラ「幽霊になっても会いに来るなんて、本当にバカな姉だわ」

 

トウマの国

その国は色々なモノを呼び寄せる

それは時には人間だったり、人外だったりするが

稀に他の世界で亡くなった者を呼ぶ事がある

それがたまたま今回のケースだっただけの事である

人の業は人の物

人の愛は人の物

思い出はその人だけの物

それは姉妹愛

それは憎しみ愛

 

ミラ「私を残して死ぬなんて・・・本当に勝手」

 

だから憎しみを抱く

一人残された事への憤りを感じ

ぶつける者もとうに無く

だから憎しみを抱く

それだけが彼女が傍に居ると認識出来る

唯一の感情

 

終わり

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