今日のワンコ~♪
テレビから流れてくる軽快な音楽
そして画面に映し出される可愛らしい犬の画像
それを一瞥して後ろを振り返る
視点の先には・・・
ドーファ「ん?大丈夫か、目ぇ充血してんぞ?」
イル「ワンコ」
ドーファ「ワンコ言うな!」
イル「ワンコ~♪」
ドーファ「オイオイ・・・不眠続きで幼児退行でもしたのか?」
何故に不眠かというと例の吸血鬼事件である
事件はとうに終わっているのだが
後片付けというものが残っているのだ
だって誰もしないから
イル「ねえ、ドーファ~♪」
ドーファ「やっと正気に戻ったか。そんじゃあこの本の山を・・・うおっと!?」
言い終わる前にしがみついてきた
と、いうよりも飛び掛って来た
その顔は普段は見せない緩みまくった表情
ドーファ「オ、オイオイ。これじゃあ掃除が出来ねえだろうが・・・」
イル「主人命令~、ベッドまで運ぶこと~!」
ドーファ「片付けは如何するんですかい?」
イル「そんなの明日でいいよ~」
ドーファ「はぁ・・・分かりましたよっと」
イル「う~、お姫様抱っこがい~い~!」
ドーファ「はいはい」
イル「はいは一個~」
何でそこだけ律儀なのか
そしてお姫様抱っことは・・・
女の子が一度はされてみたいものだが
この二人にとっては最早日常茶飯事であった
部屋の前に着く
両手が塞がっているので足で扉を開ける
これも日常茶飯事
もう慣れたものである
ドーファ「お姫様、着きましたよ」
イル「うん、苦しゅうない~」
ドーファ「(何処で覚えてくるんだ・・・)」
眩暈を覚えたのは嘘なんかじゃない
丁寧に寝かしつけるとベッドから離れようとした
しかし服の裾を引っ張られる
ドーファ「如何したよ?」
イル「む~」
ドーファ「声に出さねえと分かんねえよ」
数十秒の間を置いて紡がれる言葉
イル「一緒に寝て(///」
ドーファ「・・・・・・今回だけだぞ」
そう言って何時も折れてくれる人
それがドーファです
イル「あったかい・・・」
ドーファ「ああ、オレもだよ」
第十一骨
「平和なひと時」
完
EDテーマ
イメージ:SUMMER(久石譲)