top of page

灼熱の砂漠地帯

ジリジリと照りつける太陽が体温を奪っていく

そんな地獄の様な所

しかし水源も豊富な為、砂漠のオアシスとも呼ばれている

それがリーガル=バウスマンが治める国である

 

リーガル「あのジジイ、あれ程触るなって言ったのに・・・」

 

手に持つのは石

それもただの石ではない

名を姫宿石(きすくせき)と云う

深い所までは知らないが

その昔男を知らぬまま死んでしまった女が閉じ込められているとか聞いた事がある

それよりも何よりも・・・

 

リーガル「アイツにバレねえようにしねえと」

 

持ち主から無断で借りた代物

ソレをあのジジイめ

手から滑らせて割っちまったとか抜かしやがる

これはいよいよヤバイ事になった

リーガルは頭を悩ませた

 

リーガル「こうなりゃ、証拠隠め「リーガル!!」うわぁっ、すまねえ!!」

 

ドーファ「姫宿石が割れたって本当か?!」

 

リーガル「お、おおお、オレじゃねえよ!あのエロジジイが手ぇ滑らせて・・・」

 

ドーファ「そんな事は如何でもいい!割れた石は何処だ?!」

 

リーガル「は、え、オレが持ってるけど」

 

ドーファ「何も無かったのか?!」

 

リーガル「は?」

 

ドーファ「・・・石の中から女が出て来なかったか」

 

何言ってやがるんだコイツは

そんな夢物語あるわきゃないっつーの

 

「あの・・・」

 

ドーファ「ん・・・何だ、お前居るじゃねえか。ビックリさせんなよ」

 

リーガル「ん?確かにオレの好みだけどよ・・・誰だよ?」

 

姫宿「私、姫宿と申します。これから宜しくお願いします」

 

リーガル「おう!・・・・・・あ?」

 

ドーファ「良かったな、中々嫁が見付からなかったんだろ?」

 

姫宿「あの・・・精一杯頑張りますので・・・」

 

ポンと肩に置かれるドーファの手

おい、兄弟

コイツは一体如何いう事だ、コラ

 

ドーファ「如何いう事も何も、言ったじゃねえか。あの石には女が閉じ込められてるって」

 

マジか

あの話は夢物語でも何でもなく

マジ話だったって事かよ

女に目をやると

 

姫宿「ニコッ」

 

リーガル「っ!(////」

 

ドーファ「満更でもねえみたいで良かったぜ」

 

そっからはトントン拍子で流れていって

数日後にはリーガルと姫宿は挙式

何だかいやに出来過ぎてる気がしないでもないが

リーガルはまあいいかと思った

隣りを見ると姫宿が幸せそうに笑いかけてくれたから

 

 

第十七骨

「幸福」

 

EDテーマ

イメージ:最高の片思い(彩雲国物語ED/タイナカサチ)

 

姫宿はウチで言う所のクライ一族(ほにゃっとしてるけど良妻賢母という意)

bottom of page