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階段を下りる

当時は無かったと言うその階段は地下を何mも下り、やがて最下層に着いた

ミラは先に部屋の中に入ると、後ろに振り返りドレスの両端を摘んで訪問者を迎える

 

ミラ「ようこそ、我が屋敷へ。そしてもう一つのローレウル十三廻廊へ」

 

テッド「廻廊・・・此処が?」

 

「ソウ、廻廊トイウ名ニハそぐわないガ此処ハ正真正銘ローレウル十三廻廊ダ」

 

部屋の奥から声がした

所々片言にも聞こえるその声は、だがハッキリと意志のある声だった

 

グラム「お主たちはローレウルという言葉の意味を知っておるか?」

 

ソフィー「えっと、地名とか創設者の名前とか?」

 

グラム「否。ローレウルとは異世界の言語にて『始まり』を意味する」

 

ソフィー「異世界って・・・」

 

私達が住んでる世界もこの世界も異世界なのでは?とソフィーは心中思う

それに答える様にミラは言う

 

ミラ「私が元居た世界の事よ。それに此処は黄昏の魔導者が最初の儀式を執り行った始まりの地、ローレウルを冠するだけの資質はあるわ」

 

「トウマの国デハ13ハ不滅ヲ表す。故に俺ハ此処ニ居る、此処デ天獄の姫ヲ支援する為ニ」

 

ミラ「そうね、百年振りに帰って来ても時代に取り残されていないのは貴方のお陰だわ。ありがとう」

 

リベリア「正確には九十年と一月半だけどね。まあ、それでも私達からしてみれば些細な事かもしれないわね」

 

グラム「ふむ、二人共いい加減『彼』の紹介をした方が良いのではないか?」

 

ミラ「ああ、そうだったわね。久し振りに旧友と会って話せた物だから舞い上がってしまったわ」

 

リベリア「あはは・・・ごめんなさい。うん、じゃあ改めて紹介するね」

 

言って壁のスイッチを操作する

天井に設置されたライトが次々と点灯していき、最後に部屋の奥が明るく照らされた

其処には巨大な機械が“居た”

両肩と胸部に円状のパーツがはめ込まれ、頭部は鋭角に尖り二つの無機質な眼がこちらを見つめている

群青色の手足から何本もの太いケーブルが天井や壁にのび、時折微小な音量を立てて光が行き来する

ソレは機械だった

だがソレは喋り、自我を持ち、戦う力を持つ機械

 

ブラストリオン「灰機甲国所属・ブラストリオン。現在ハ天獄の姫ノ支援ヲ行う身ダ、以後宜しく頼む」

 

八十年前に製造が終了した汎用型機械兵計画『BRシリーズ』

過去に起きた大戦で活躍した灰機甲国と呼ばれる機械国家の技術を用いたもの

彼はその発端であった

 

 

第二十雨

「機械の息吹」

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