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オド「(あれから何日が過ぎただろうか・・・)」

 

窓の外を見る気は無かった

見た所で現状は変わらないし

それは全てを諦めた者がする事だ

 

オド「(最後にテーゼに会いたかった・・・これじゃあ、まるでもう会えないみたいだな)」

 

乾いた笑いを口内から搾り出す

死期を悟ったオドは静かに背中を壁に預けた

窓のある壁に・・・

 

オド「最後位は安らかに逝きたかったんだけど、それも無理か」

 

キイイイィィィィィィン

ほら、天使のお迎えだ

しかし何やら機械音のする天使だ

音は真後ろの壁

しかも壁の外から聞こえてくる

気付いた時には遅かった

正体不明の爆音と閃光が“隣りの壁を”穿っていた

 

オド「な・・・」

 

ポカンとする

それはまるで銃痕の様に焼け焦げていた

穴の外周の壁の表面はガラスの様にツルツルになっている

爆音と閃光はその威力からか鉄格子さえも吹き飛ばし

牢獄としての意味を成していなかった

 

「如何にか間に合ったようじゃの」

 

「少々ヤリスギデハ?」

 

「人権を悉く無視してぶち込む様な場所じゃ。やり過ぎ位が丁度いいわい」

 

オド「ニール翁!それに・・・ブラストリオン、何故此処に!?」

 

ニール「若造、開戦の狼煙は上がったんじゃよ」

 

リオン「オレは仲間ヲ助けた。ソレは当然ノ事ダ」

 

壁の外には背中のバーニアで宙に浮かんでいるロボットと

その肩に乗っている老齢の男が居た

老人は腕組みをしたままオドの言葉を待つ

 

オド「開戦って・・・廻廊同士で戦う気か?!」

 

リオン「アレはケイオスではない。オレは本当のケイオスを知っている」

 

ニール「うむ、リオンの話によると昔ケイオスと名乗っていた者は女性だったという事じゃ」

 

オド「なら今此処に居るケイオスは・・・」

 

ニール「ああ、全くの偽者という訳じゃな」

 

リオン「ケイオスは心ガ無い、故ニ言葉ヲ喋らない。ダガアレは全くノ正反対ダ」

 

オド「そうか、ブラストリオンは機械兵士だから先の大戦を知っているのか」

 

リオン「ああ、シカシ今はコンナ事ヲ話している場合ではない」

 

ニール「うむ、この事態を察知した者達が秘密裏に対策本部を設置しておる。さあ、乗れ!」

 

オドは暫く考え込んでいたが

覚悟を決めブラストリオンの肩に乗った

 

ニール「早めで頼んだぞ!」

 

リオン「任せろ、オレの三重機構エンジンなら成層圏ダロウト何ダロウト一っ飛びダ!!」

 

その後ろ姿を陰から見ながら

リシアは楽しげに笑った

 

 

第二十一骨

「救援と脱出」

 

EDテーマ

イメージ:Evil shine(機神咆吼デモンベインOP)

 

今回の元ネタ「大番長のヴァンダインのセリフ」

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