アーケ「おじいちゃん、そろそろ手を引っ込めないと私怒っちゃうからぁ♪」
ニール「ふぉっふぉっふぉっ、お嬢ちゃん年の割には良い尻しとるのう♪」
アーケ「年の事は言うなぁ!!」
ニール「おぶぱっ!・・・・・・いたた、老人は大切にしてくれぬか・・・」
アーケ「セクハラは犯罪って知ってますかぁ、おじいちゃん?」
ニール「ふぉっふぉっふぉっ・・・本気で恐いのでその目やめて貰えませぬか」
別動隊のメンバーがこの二人
鋼武蝶ことアーケ=クロイトと
千厳斎ことニール=エウリュクスである
片方はドーファに良い所を見せようと
もう片方はミラの進言で
ニール「ふむ、それはそうとギシャはあちらに上手く誘われたようじゃの」
アーケ「ギシャ?・・・ああ、偽者の事ね。凄く解り辛いわよ、おじいちゃん」
ニール「さてさて・・・何時まで其処でそうしておるのかの?」
リシア「あら、バレていましたか」
アーケ「邪心聖母?!見ないと思ったらあっち側だったの!?」
リシア「どうも」
ニール「ふむ、簡単に出て来たが如何いう用件かね?」
ゆっくりと二人に近付いて来る
ニールは飄々としているが
アーケは眉間にシワを寄せて軽く舌打ちしている
それだけ邪心聖母と呼ばれている者は未知だ
能力の有無もあるが
今まで一度も“表舞台”に立った事が無いのだ
それは詰まる所未知だ
所詮“裏”でどんなに動いていようが
“表”で知られていない限り不可侵の域を出ない
リシア「・・・・・・」
踏み込む
アーケ「(来る・・・!)」
上体を屈ませ何時でも応戦出来る様に整える
相手の足が離れた時、
それはこちらが相手を組み伏せる時だ
リシア「中に彼は居ませんので、思う存分物色して下さい♪」
コケた
それも思いっ切りである
顔面から地面にダイレクトアタック!
しかも砂利道である
痛い、無性に痛い
アーケ「女性は顔が命・・・って違う!いや違わなくは無いけど、そうじゃなくて!!」
ノリツッコミとか初めて見た
貴重な体験をしたなぁ、とかそういうのは置いといて
リシア「あら、如何しました?お顔に沢山砂が付いていますよ?」
アーケ「え、何処?何処ら辺に付いてる?・・・だから、そうじゃない!」
ニール「ふぉっふぉっふぉっ、若いというのは良いのぉ♪」
アーケ「何で敵方に居るのに情報垂れ流しなのよ!?」
リシア「垂れ流しって淑女が言ってはいけません!あ、それと、私は最初から寝返ってませんよ?」
アーケ「は・・・?え、それこそ何で?」
ニール「『敵を欺くにはまず味方から』と言うじゃろ?」
リシア「ええ、彼の能力は私には効きませんから」
笑顔でサラッと真実を言う
こういう所が邪心聖母と呼ばれる所以である
つまり邪心っていうのは邪な心ではなく
腹黒いという事です
酷い聖母が居たモンだ
第二十九骨
「邪心聖母の意味」
完
EDテーマ
イメージ:RE-RI-CA(MELTY BLOOD/地底の王国)
木を隠すなら森の中
リシアを隠すなら敵陣の中