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そこは城と呼ばれる所

高貴な者が住むとされる場

ミラの住む場もまたそんな城であった

 

ミラ「うわ、またホコリ積もってる」

 

誰も掃除をしないようだが・・・

それもその筈、城にはミラとグラムの二人しか居ないのだから

トウマの国には城が十三ある

つまり高貴な者が十三柱居るという事である

貴族に似た振る舞いをする者

豪放磊落な者

自由奔放かつ気ままな者

そんな者達が居るのが此処、トウマの国である

 

グラム「これはクリーンキーパーを寄越さなくてはなりませんな・・・」

 

クリーンキーパーとは、早い話が掃除屋である

貴族の中には稀に掃除好きが居るのだが

それ以外の者はクリーンキーパーに頼っているのが現状である

 

ミラ「誰を呼ぼうかしら。ベルはこの前呼んだし、リンスは辞めたって聞いたし、リューンは帰省中だし」

 

ミラ姫は中々クリーンキーパーと面識がある様だ

たまに一緒に居る所が確認されている

女三人寄れば姦しいとは云うが二人の場合は如何なのだろうか?

ピンポーン

 

グラム「む?今日は誰も来ぬ筈だが」

 

だが客が来たというのなら招き入れねばならない

グラムは玄関に向かう

扉を開けたが誰も居ない

不思議に思った直後だった

ソレがソコに居たのは・・・

 

グラム「!!」

 

?「あらあら、駄目よ?お屋敷の中で剣なんて抜いちゃ」

 

グラムは一瞬分からなかった

何故声の主が自分の背から話し掛けているのかを

何故話し掛けられるのかが

己は扉を開け、断じて開けきった訳ではない

訪問者が何者なのかを確かめてから領域に入れる

それが普通だからだ

得体の知れない者を入れ、ミラ姫に危害を加えられる様な事がもしあれば、己は騎士失格であるからだ

 

グラム「何者だ・・・」

 

静かに問う

声の主は逡巡し、こう答えた

 

?「クリーンキーパーかしらね」

 

クリーンキーパー?

馬鹿な、自分の後ろをとる様な者がその様な職に付く筈が無い

そもそもクリーンキーパーになれるのは人間の女性だ

声の主は姿は見えずとも人間にはとても思えない

 

 

第二骨

「思い出すは毒花の如し・前編」

 

挿入曲

イメージ:The Blue monday e"ectrical parade(グレンラガン・サウンドトラック)

 

EDテーマ

イメージ:カザハネ

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