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ミラ「何をやっているのかしら?」

 

何処から聞こえたのか

上の階の方からミラ姫の声がした

 

?「あらあら、可愛い主様だこと。貴方も隅に置けませんねえ」

 

気の所為か後半が凄く強調された

グラムは剣の柄に手を掛けたまま動かない

 

グラム「ミラ様、この者クリーンキーパーと名乗っておりますが如何致しましょう?」

 

こちらを見ずにそんな事を言う

正直信用出来ない

本当にクリーンキーパーなのか

それとも何時もの様に刺客なのか

少し黙考して私が出した結論は

 

ミラ「クリーンキーパーなら掃除をして貰えるかしら?貴女の処分はその後にしましょう」

 

?「あらあら、此処の主様はかなり聞き訳が良いじゃない。クリーンキーパーの名にかけてやらせて頂くわ」

 

そうして彼女は屋敷を一瞥しこう呟いた

 

?「ふ~ん、中々歴史が古そうね」

 

そこから先はまさにプロと呼べる様な域だった

本当に人間なのかと疑いたくなる様な手順だった

天井に巣食うクモの巣なんて普通取り除ける筈が無いのに・・・

 

?「これで・・・終わりっと!如何かしら?」

 

ミラ「・・・圧巻だわ」

 

薄埃すら無いなんて・・・

実はメイドマスターなんて事はないわよね?

とにかくこれで彼女を追い返す理由が無くなったのは事実だった

 

ミラ「貴女、名前は?」

 

アリューダ「アリューダ=ダイナルよ」

 

ミラ「アリューダ・・・」

 

アリューダ「何かしら?」

 

何故か花の香りがした

それは何処かで嗅いだ様な気がした

 

ミラ「食事は作れるかしら?」

 

アリューダ「もちろん」

 

今宵、天獄の姫のお屋敷に住人が一人増えた

主に食事を作る役目なのだろうが

 

 

第二骨

「思い出すは毒花の如し・後編」

 

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イメージ:‐無何有の雪桜‐

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