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朝が来る

明るい空を祝福するかの様な朝が

 

ミラ「・・・はぁ」

 

ミラ姫は憂鬱だった

朝だというのに

清々しい空気を楽しめると思っていたのに

それもこれも太陽が昇り始めた頃に来たからである

ソレは大群で押し寄せた

 

アリューダ「あらあら、これは多いわね」

 

アリューダも流石に苦笑している

城の前方200メートルにスケルトンから竜種までの様々な怪物が犇いているのだ

無論ソレ全てが刺客である

 

ミラ「今度は何処の組織なのよ・・・」

 

よく刺客を差し向けてくるのはレムリアルか南無連府のどちらか

今回はメジャーなのが来たのでその線は無い様である

 

グラム「お主等、此処が何処か知った上での狼藉か?」

 

その眼は普段見せている様な物ではなく

殺気が迸る様な、そんな眼だった

怪物達は一瞬怯んだがすぐに持ち直した

誰ともなく声を発し、それに倣う様にグラム目掛け向かってゆく

 

アリューダ「加勢します?主様」

 

アリューダは手に投げナイフを持ちながら聞いた

 

ミラ「加わる頃には終わっているわ。それより紅茶を頂けるかしら?」

 

アリューダ「そうですか。少々お待ち下さいね」

 

果たしてミラが言った事は本当だった

大群を睨んだグラムが次に取った行動は

ただ剣を『振るう』のではなく

剣で全てを『薙ぎ払う』だったのである

彼は歴戦の猛者である

多対一の差ですら彼にとっては赤子の手を捻る様な物である

 

グラム「安心せよ、急所は外した」

 

もう、この手は殺生等しない

誓いは破られる事なく朽ちる事なく

未だこの胸に打ち付けられている

 

 

第三骨

「討つ者、誓いし事」

 

EDテーマ

イメージ:黄金の輝き

 

ちょっとした設定

■レムリアル

幻想種(竜、合成獣、神霊、邪神系など)を有する異教統合組織

ミラを頂に座させる事を目的としている

 

■南無連府

妖怪、精霊などの自然干渉系を有する厳粛なる組織

天と獄を繋げる為にミラを亡き者にしようと暗躍している

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