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ドーファ「これも、もう要らないかもな」

 

イル「あれ、如何したのドーファ?掃除なんかして」

 

ドーファ「んぁ?ああ、実家に帰ろうと思ってな」

 

イル「ふ~ん・・・・・・え?」

 

ドーファ「んで?これはそこのと合わせてゴミ箱へシュート、超エキサイt「ちょっと、ドーファ!!」・・・何だよ?」

 

イルは何故だか涙目で

ドーファは何が何だか分からなかった

 

イル「実家に帰るって如何いう事よ?!私に愛想をつかしたとかそういう理由だったら、治すから帰らないで!!」

 

ドーファ「何処の昼ドラだ。のんべんダラリと過ごし過ぎだぞ、お前」

 

イル「うっ・・・ぐすっ、だって・・・」

 

その涙を目尻に溜めた表情に

不覚にもドキリとしてしまった訳で

それを隠そうとわざと何時もと同じ言葉遣いで話してしまう

そんな自分を客観的に見て

変わったなと思う

 

ドーファ「勘違いすんな、一族の方で何かトラブルがあったみてえだから帰るだけだ」

 

イル「トラブル?・・・ぐすっ・・・」

 

ドーファ「何かオヤジの遺書が見付かっただの如何だの言ってたから、他の兄弟が揉めてんじゃねえか?」

 

遺産相続だの何だのとかいうヤツだ

まあ、俺はそんなのには興味無いんだが

遺書という物が出て来ると厄介この上ない

今は俺が長男って事で長をしている訳だが

遺書っつーのはそういう終わった後の事まで足を運びやがる

正直面倒臭いっていうのが本音だ

 

ドーファ「長男が帰らないっつーのも変だろ?だから実家に帰って兄弟と話をつけて来る」

 

イル「何時帰って来るの?」

 

ドーファは驚いた

イルは普段この様な事を言わない

傲岸不遜というか

自由気ままというか

猫被りというか

何にせよここまで自分の『欲』を曝け出した事は無いのだ

 

ドーファ「あー・・・一ヶ月、か?」

 

それだけあれば何とか収拾もつく筈

そう考えた

一ヶ月なんてすぐだ

だからイルの次の言葉なんて予想してなかった

 

イル「私もついて行く」

 

ドーファ「今・・・何つった?」

 

イル「私もついて行くって言ったの!」

 

ドーファ「いや、何でだよ・・・」

 

イル「一ヶ月も待てる訳ないでしょ!ドーファが嫌だって言ってもついて行くから!!」

 

ドーファ「いや、だから俺に拒否権は無いのかよ」

 

イル「そんな物、最初からある訳無いじゃない」

 

心底不思議そうに言う

コ、コイツってば訳分かんねえ

何でこうも人の予想の斜め上の発言をするんだろうか?

・・・ああ、いや、違うな

 

ドーファ「俺もそんなイルだから惹かれたんだ」

 

如何しようもなくスラッと言葉を吐くくせに

二人きりになると無口になるわ

途端にドジ連発するわ、不器用になるわで

普段とのギャップがあり得ねえけど

そういうトコも全部ひっくるめてオレはコイツが好きなんだ

 

イル「うん、準備オッケー。ほら、ドーファ!」

 

ドーファ「ん?」

 

イル「あっちでアンタの兄弟に私との仲を目一杯見せ付けてやるわよ!」

 

ドーファ「何でそうなるんだよ!」

 

オレ達は笑い合って生きていく

辛い事だって悲しい事だって

全部全部楽しい事に変えればいい

コイツとなら、イルとなら絶対出来る

なんて出所不明な自信が込み上げて来る

 

イル「ねえ、ドーファ」

 

ドーファ「如何した?」

 

イル「私ね・・・ドーファの事が大好き!」

 

笑顔だ

満面の笑顔

それはヒマワリの様な、っていうキャッチフレーズが付きそうな位の

満面の笑顔だ

 

ドーファ「・・・知ってるよ」

 

イル「ねえねえ、ドーファは如何なの?」

 

意地悪めいた顔で訊いてくるから

オレはイルの眼を見ながらこう答えてやるんだ

 

ドーファ「オレか?オレはな・・・・・・」

 

オレ達は笑い合って生きていく

二人の道が続く限り

何時までもオレ達は一緒だ

 

 

扇狼骨

「二人の道」

 

EDテーマ

イメージ:Lovin’Foever(.verたかび)

 

二人の出逢い(多分一目惚れ?)

イル「貴方は今日から私の従者ね!」

ドーファ「はい?何でいきなりそんな事になってんですかい・・・」

イル「ぼやかない、ぼやかない。私はイリューダ=フォルテ=ソード、イルでいいわ」

ドーファ「オレに拒否権は無いのかよ」

イル「ある訳無いじゃない」

ドーファ「・・・・・・」

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