髑髏の騎士の朝は早い
というより寝てはいない
その体は元から生きた物ではないからだ
では栄養は何処に行っているのかと問われれば
そんな物は摂取していないと言うしかない
グラム「む・・・朝か」
先の戦いでスケルトンが出てきたが
グラムはスケルトンとは厳密には違う
スケルトンは意思無き者の骨塊
グラムの様な髑髏騎士は確固たる意思有る者の死後の体
天と獄がまだ繋がっていた時代
一つの大戦があった
トウマの国とて例外ではなかった
大勢の兵士が動員され七日七晩続いたと云う
グラム「アリューダ、少し城を空ける。ミラ姫を頼むぞ」
アリューダ「分かったわ。何処へ行くかは知らないけど行ってらっしゃい」
大戦で生き残ったのは数える程しか居なかったとされる
グラムがそこで何を見たのかは分からないが
歴史に残してはならない光景が広がっていたのだろう
グラム「今年も参ったぞ、我が戦友達よ」
国が把握している中でもグラム=バテレイトを含む幾人は輝かしい功績を挙げた
髑髏騎士が敵を薙ぎ払い
剣獣が活路を開き
戦鬼が大地を割り
神狼が皆を扇動した
それはまだ騎士が姫と出逢っていない頃の話
グラム「お主等が居たらどの様な反応をするだろうな」
目を細めてそれを見る
戦友の、共に戦って散った友の墓
今ではグラムを残し全員この世に居ない
だがそれでも・・・
何時でも会えるのだ
この青く澄んだ空の下で
何時でも・・・
第四骨
「昔々の物語」
完
EDテーマ
イメージ:終焉と始まり
ちょっとした設定
■剣獣
名前:デッドライド
種族:剣殻獣
詳細:体の一部の外皮が剣状の物質で出来ている大型の獣
一応、幻想種にカテゴリされている
■戦鬼
名前:羅炎
種族:羅刹鬼
詳細:大柄ながらその俊敏性は申し分無い程
素手での肉弾戦を得意とする
■神狼
名前:如月狼魔
種族:人間
詳細:天狼と呼ばれる機神を駆り、その超常なる力で敵を打ち倒す
後に狼魔戦刃と名乗りトウマの国を出奔する
■大昔の大戦について
世界全土を巻き込む大戦がかつてあった
首謀者が誰かは判明しておらず
多大な被害が起きた事だけは分かっている
動員された兵はそれこそ人間から始まり
幻想種、機械、精霊の類に人狼、不死王まで