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一本の電話

男はそれを女に渡し

女は電話の主と話す

その瞳に決意を宿して

 

女「ええ、万事計画通りよ」

 

?『良いのかね?彼女は大切な友人だと聞くが』

 

女「信じられないの?私は私を動かすわ、誰が目の前に立ちはだかろうとね・・・」

 

?『いや、すまない。協力している身にしては出過ぎた真似だった。では雪血華、次の夜にお逢いしよう』

 

女「ええ・・・また逢いましょう、黒鳴艦」

 

深く息を吐きながら椅子にもたれる

彼は信じるに値する人物だ

なのに何処か自分は信じ切れていない

それは何故?

 

処変わって此処はソード城

そう、イリューダ=フォルテ=ソードの城である

 

イル「それじゃあ吸血鬼達は誰かに操られてると。そういう訳ね?」

 

ドーファ「まだ確定した訳じゃねえが、その線もあるって事だな」

 

イル「ふーん・・・」

 

ドーファ「アンタらしくもねえな。何か引っ掛かる事でもあるのか?」

 

イル「そうじゃないけど、何か見逃してる様な・・・・・・ああ、もう!」

 

髪をグシャグシャと掻き混ぜて

それから丁寧に梳いて戻してイルは唸った

発端は件の吸血鬼騒動

十三廻廊の中でも一、二を争う問題児であるソフィアが掲げた今回の事件

それだけでもおかしいのに

今回はそれ以上に複雑である

 

イル「・・・何で種族同士の殺し合いなのよ」

 

そう、吸血鬼・・・スノーヴァンプ・・・は互いのテリトリー内で

互いを殺し合ったのだ

その様な事はトウマの国始まって以来無かった

過去に似た様な事はあったが今回は違う

スノーヴァンプは比較的大人しい種族なのだ

だから一層おかしい

イルはそう推理したのだ

 

 

第六骨

「命に宿るもの」

 

EDテーマ

イメージ:Two of us

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