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これ以上の隠し事は無理だと思った

でもこれだけは言える

今はその時じゃない

せめて、せめて今回の件が終わった後に

そうすればあの人にも本当の事が言えるから・・・

 

「・・・ーダ・・・」

 

「・・・・・・ューダ・・・」

 

「「アリューダ!」」

 

アリューダ「は、はい!?」

 

グラム「全くお主は・・・。何度呼びかけても反応せぬから心配したぞ」

 

ミラ「まあ、ただの心在らずで良かったわ」

 

アリューダ「すいません、お嬢様」

 

グラム「お主宛てに手紙を預かっている。差出人はミラ様と同じ廻廊の方だ」

 

ミラ「貴女が何故そんな所から手紙を寄越されるのかは知らないけど、失礼の無い様にね」

 

アリューダ「はい。えっと、それでは行って参ります」

 

礼をして足早に屋敷を後にするアリューダ

その後ろ姿を見送り一息つく二人

 

グラム「引っ掛かりますな・・・」

 

ミラ「あら、手紙の差出人の事かしら?」

 

グラム「それもありますが、その名を見た途端のあ奴の顔です」

 

ミラ「酷く驚いていたわね」

 

手紙の差出人は邪心聖母

ローレウル十三廻廊の一柱

確かにそんな最高位の者から手紙を寄越されたら

誰だろうと驚く

 

ミラ「まあ、それよりも私はあの子の私への呼び方が、日に日に変わっているのが気になるわ」

 

深い溜め息を吐くとグラムに向き直る

 

ミラ「私達は奥でお茶でもしていましょう」

 

グラム「ふっ・・・そうですな」

 

この何でもない一件が

後にとんでもない事を引き起こすとは

この国の誰も知る由は無かった

 

 

第八骨

「消えない刻印」

 

EDテーマ

イメージ:

 

EDテーマが無いのは仕様です

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