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何でこんな事になっているのか解らない
だって僕は普通に道を歩いていたんだ
そりゃあ運悪く冒険者のケンカに巻き込まれて、それから逃げる様に一生懸命走ったのもあるさ
そして気付いた時には複雑に入り組んだ裏路地に居たっていうのも原因の一つだと思う
走り疲れたからって壁に体を預けたのも事実だよ
・・・でもその壁が反転するなんて誰だって予測出来ないと思うんだ
「・・・ったぁ~~~」
思いっ切り後頭部を打ってしまった。打ち所が悪くなくて本当に良かったと思う
頭をさすりながら周りを見てみる
真っ暗。自分の姿も見えない程の暗さ
ハッキリ言って闇そのものとさえ形容出来る
一抹の不安を抱えて如何にか出口はないかと闇の中を探る
不意に何かにぶつかった感触があった
だけど直後に少しの浮遊感
「な・・・う、うわあっ!?」
如何やらその壁は相当朽ちていた様で、僕の体重でそのまま倒れてしまったみたいだ
土煙が上がる中何とか体勢を整えようとして前を向いた
多分それがいけなかったんだ
「・・・ぁ・・・」
女の子が、僕の妹よりも歳の幼い少女がパンツだけの格好で立っていた
僕がとにかく謝ろうと思い口を開きかけた瞬間・・・
少女の右手に自分の持っている剣をさらに凶悪にした感じの剣が現れた
直後、僕は斬られた
うん、今思い出してもアレはかなり酷い出逢い方だったと思うよ
だって僕、殺されそうになったからね。割と本気で
「不幸的な出逢い」
完
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