試合が始まる直前バトルフィールドに早めに立った二人は、これから戦うとは思えない面持ちで話し出した
真崎「やあ、蒼麻くん。ランバダ宗教戦争の時以来だから何年振りだろうね」
蒼麻「17年と少しになります。元気そうで何よりです、真崎さん」
真崎「元気、とも言えないんじゃないかな。僕死んじゃってる訳だし」
真崎さんは困った風に笑う
蒼麻「ランバダの時はお世話になりました。貴方が助けてくれなかったら、今頃は生きたまま十字架に磔にされてましたから」
心の底からそう思う
真崎「それにしても時代は変わったね。僕が居た頃は妖魔達の方が多かったと思うんだけど・・・」
蒼麻「規格外クラスは昔から居ましたけどね」
真崎「うん、確かに。でもあの頃の永窮冠獄はずっと開いていた気がするけど?」
蒼麻「ああ、多分ソレは週休二日制を導入したからだと思います」
真崎「変わったなぁ、あそこも」
蒼麻「そうですよ。変わらない物だってありますけど、大抵の物はその都度変わっていくんですから」
言って構える
それに気付いて真崎さんは軽く微笑んで俺に問う
真崎「君はあれから変わったのかい?・・・いや、変われたのかい?」
表情こそ笑っているが、そのプレッシャーは並々ならない物だ
普通の人間が相対したら確実に卒倒するレベル
こればっかりは人外で良かったと思う
蒼麻「それを確認するのは己じゃなく他人、でしょう?」
昔教えられた事を言って返す
真崎「確かにそうだね。・・・よし、それじゃあ人間風情で申し訳無いけど見てあげるよ、今の君の強さを!」
真崎さん、やっと、やっとです
やっと俺は貴方と戦える
あの時、助けられたあの時から
俺は貴方に憧れて、貴方に魅せられて
貴方と同じ場所に立って同じ目線で世界を見てみたかった
例え貴方が死んでいたって、この世界に居なくたって
俺は貴方と戦える事が何よりも嬉しい
続け