top of page

黒い竜巻がぶつかり合って霧散した

一方は嵐自身が放った物、もう一方は蒼麻が放った物

無論どちらかが勝っているという事は無い

どちらの竜巻も同等の力を持った同じ物である

 

嵐「やはり、これは・・・」

 

斐綱「まさかまさかの展開だ!嵐選手の大嵐奏霧で早々に決するかと思いきや、蒼麻選手も同じ技を繰り出すとは誰が予想出来たでしょうか?!」

 

蒼麻「それについては俺から説明しよう。大嵐奏霧っつー技は『暴風』という特性をヒントに俺が編み出した技なんだな、これが」

 

赤「成程。つまり元々はアイツの技か」

 

赤が納得いったと言わんばかりに頷いたのを受けて、斐綱もマイクを使って観客達に説明する

 

斐綱「・・・という訳です」

 

蒼麻「乗っかっただけじゃねえか!?」

 

思わずツッコんでしまう蒼麻

思い返してみるとこの大会中は結構ツッコミに回っていた気がする

でも別にツッコミ属性じゃないから複雑な気分である

蒼麻がツッコんでいる間律儀に待つ嵐

何この娘、マジ良妻賢母

 

蒼麻「さて気を取り直して、と。これで大嵐奏霧は効かないってのが解ったろ?」

 

このまま負けを認めてもいいんじゃよ?みたいな視線を送る

 

嵐「それでもまだ私は戦えます。技が一つ敗れたからといって敗走するのは剣士にとって恥ずべき事なので」

 

蒼麻「あー・・・白帝とか骨の爺さんと同じ思想だったか。俺は似非剣士だからその考えは理解出来ねえな」

 

ぽりぽりと頭を掻くとストームブリンガーで一回空を切った

次の動作への繋ぎとして行ったものでそれ自体にはあまり意味は無い

が、同じ得物である為か嵐は警戒を緩めない

彼女がここまで来れたのは偶然が積み重なった結果だった

もしも魔桜・霊武がこちらに居たら?もしも真崎謙悟が対戦相手だったら・・・

彼女はここまで絶対に来れなかっただろう

だからこの決勝戦は偶然の積み重ねで出来ている

だが一番良いのは偶然ではなく、実力で蒼麻に勝つ事だ

規格外クラスの一つ下、異流種クラスで一番強いであろう蒼麻を実力で倒せば己は剣士として一段階成長出来る

 

嵐「私は蒼麻さん・・・貴方を必ず倒してみせる!」

 

蒼麻「自分の目標をちゃんと持ってる奴は俺は好きだぜ。来いよ、ストームブリンガー!本物の嵐ってのを教えてやるぜ!!」

 

続け 

bottom of page