終わりの無い剣劇
一つおかしいのは蒼麻は決して自分から攻勢に出ない事
指導という方法でまず防いでから攻撃に転じる事はあるが、最初から攻撃を行う事は無い
武闘会という括りで見れば、その行動は反する物であり武闘という言葉にそぐわない物である
赤「あいつ、遊び過ぎじゃないか?」
邪狼「確かにな。あれじゃあ観客も盛り上がれねえ」
斐綱「あー・・・・・・俺居る意味あるのかなぁ?」
邪狼「・・・・・・はぁ、仕方無え。司会者さんよ、ちょっとマイク貸してくれ」
司会者からマイクをもぎ取ると蒼麻の方へ顔を向ける
そんな邪狼の些細な行動も嬉々として指導を行っている蒼麻の目には映っていない
と、邪狼がマイクを右手に渾身の一振りで蒼麻目掛けて投げた
赤「投げるのかよ!?」
見事蒼麻の側頭部にヒット
ゴインとかマイクらしからぬ音がした
あまりにも突然の衝撃に蒼麻はよろめくと・・・
蒼麻「痛えだろうがテメエ何しやがる!今まで真面目路線でやってたんだから、ちょっとは自由させろよな!!」
邪狼「うるせえ、自覚してんならさっさと終わらせろ!こちとら何時までもこんなボロッボロの神社に居たくねえんだよ!!」
蒼麻「ここの管理者ディスってんのかテメエ?!」
邪狼「黙ってろっつってんだろボケがぁ!どうせこの世界は一回死んでんだから何言っても許されんだよ!!」
蒼麻「だまっ・・・テメエ、今そこ行くから動くんじゃねえぞゴラァッ!」
邪狼「来いや、クソ狼っ!」
ストームブリンガーを手放してバトルフィールドを飛び降りる
そのまま飛び蹴りの体勢で邪狼に向かって行く蒼麻
それに対抗する様に右回し蹴りを放つ邪狼
最早観客席だった場所は阿鼻叫喚。触発されたのか所々で乱闘が勃発
そんな予想外の展開にさっきまで剣を交えていた嵐はポカーンと口を開けて呆然
嵐「あの・・・勝敗は・・・」
赤「最初から期待はしていなかったんだが、代わりに謝る。すまない、何時もの事なんだ」
嵐の肩にぽんと手を置いて「流石に慣れました」という空気を滲ませながら同情する
そして大乱闘の中心になっている二人を見ながら心中で思う
もう絶対武闘会とかしねえ、と
頼むから終われ