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斐綱「さあ、Cブロックの対戦者がバトルフィールドに今入場!『白髪の獣王』勇高赤選手VS『HellBeast』グスタフ=バレッド選手、互いに動かないまま試合開始です!!」

 

その時、会場中の人間の思考回路がシンクロした

「似てる」、思った事が全員一致した

確かに両者とも白髪であるし、顔つきも何処となく似ている

というより赤を老けさせたらグスタフっぽく見えるし、グスタフを若返らせたら赤っぽく見える

早い話がそっくりさんである

 

赤「ふぅ・・・生涯で三人は似た人間と出会うというのは聞いた事はあるけど、流石に出会うのが早過ぎる」

 

グスタフ「確かに。ドッペルゲンガー程ではないが、ここまで似た相手というのも珍しい事だ」

 

赤「貴方とは話が通じる所がありそうだ」

 

グスタフ「なに、私は執事という職業柄そういう技術に精通しているだけだ。他人に褒められる様な事柄ではない」

 

赤「それでも貴方は貴重な人材だ。本当、ウチに欲しい位だ」

 

グスタフ「ふっ、君も中々苦労している様だな。だがそこまで奮起する事も無い、ここで屈せば要らぬ事を考える必要も無いだろう」

 

言って得物を手にする。それはショットガンとマシンガン

対して赤は一切の得物を持たない徒手空拳

 

グスタフ「ほお、銃に拳で挑むつもりかね」

 

赤「世界に産まれ落ちた時からこのスタイルだからな、今更変える気は毛頭無い」

 

グスタフは左手に持っているマシンガン『イクシオン』から弾丸をばら撒いた

それを拳で弾く赤。そこに右手に持っていたショットガン『アイギス』の弾丸を撃ち込む

実はこのショットガン、彼の保有能力によって弾薬不要、連射可能、破壊力調節が可能になっている

これは銃自体の能力も秀でている事も関係している

 

邪狼「赤自身のスペック的には銃身を破壊した方が手っ取り早いんだが、それだとすぐに決着が着いちまう。手を抜くトコは抜くとか言っときながら、ありゃあ結構楽しんでるな」

 

斐綱「両者ともに一歩も引かない攻防戦が繰り広げられております!果たして勝利の女神が微笑むのはどちらなのでしょうかあっ!?」

 

司会もヒートアップしてきた。観戦者達もそのデッドヒート振りに賭けをしだした

因みに只今のオッズはグスタフがやや優勢

 

グスタフ「ふむ、観客達の意向に沿おうと思うのだが如何かね?」

 

弾幕を張るのをやめ、そう提案する

その言葉に笑顔で答える。自分達だけが楽しむのは不公平だ

静かに息を吐く。肺の中に溜まった不純物を取り除き、新鮮な空気を目一杯吸い込む

多分だがソレがいけなかった。その行為、たかが深呼吸だがこの場の空気を目一杯取り込んだのがいけなかった

次の瞬間、赤の身体が“変色”した

その光景は何時か何処かで見た物と同じ。そう丁度11ヶ月前のあの時と同じ

 

赤「gurrrrrrgaaaaaaaaaaaaaa.........」

 

蒼麻「戻化だと!?正常稼動している結界内で何故・・・いや、前回の一件であいつが対策を立てない筈が無い」

 

赤「っ・・・想器・・・・・・呪戻、返し・・・!!」

 

蒼麻の言葉通りに変色は収まり、元の姿に戻っていく

額に汗を浮かべながら次の行動に移る

相手を圧倒するまでが試合。ならば倒れるのは相手を制した後だ

地面を蹴って相手に迫り右の拳を振りかぶる。対するはショットガンとマシンガンの複合攻撃

勝者は言わずとも分かるだろう

 

斐綱「び、Bブロック同様勝者の居ないままCブロック試合終了です」

 

つまりはそういう事だ

精神に疲労をきたした者と絶対的有利だった者。そんな状況でも相打ち

だからこの武闘会は普通と違うのだ

 

続け 

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