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「蒼麻さん」

 

蒼麻「ん?ああ、嵐か。如何した、次試合だろ?」

 

嵐「その事なんですが、次の試合私の応援をしてくれませんか?」

 

蒼麻は目をしばたかせた

今まで彼女がそんな事を言ってきた事が無かったからだ

言葉の真意を探る為、理由を訊ねてみた

 

嵐「私がこう言うのも何なのですが、その・・・蒼麻さんに応援していただけたら何時も以上の力を出せると思うんです」

 

蒼麻「深いトコを訊いてもお前は答えてくれないんだろうな。・・・うん、分かった。お前を応援してやるよ」

 

嵐「ありがとうございます!」

 

蒼麻「その代わり勝てよ?只でさえ葉月は特A級判定者なんだ、あまり長期戦に持ち込むとアイツの思う壺だぞ」

 

嵐「それは十分承知しています。蒼麻さんの期待に背かない様一意専心の構えで行きたいと思います!」

 

そう言い残してバトルフィールドに向かう嵐

その背中を見ながら蒼麻は一人呟く

 

蒼麻「何か白帝が言いそうな例えだなぁ・・・」

 

多分図式的には、白帝→嘆き→嵐という流れなのだろう

言葉による伝達程恐い物は無い

 

斐綱「Bブロック、Cブロック共にハプニングの続出ですが、流石にそれもここまででしょう!さあ、二回戦への切符を手にするのは一体どちらなのかぁっ!?」

 

巨大な鬼が其処に居た。強固な鎧を身に纏った機械仕掛けの鬼だ

そしてその対面に居るのは金糸の髪を風に揺らす美女

正に美女と野獣という言葉が似合う光景であった

 

斐綱「『ストームブリンガー』嵐選手VS『無限逆行』白槌選手!運命のゴングが今高らかに鳴り響いたあっ!!」

 

ゴイ~ン

本当に鳴り響いた。何時の間に設置したのか気になる

しかしこの司会ノリノリである

あの次元統合組織でさえも戦慄した白槌を見ても、声を震わせる事すらないのだから凄い

いや、こういう状況に慣れてるのかもしれない。慣れってある時期を越えると度外視されるらしいし

そんな事を解説している間にも試合は行われている 

白槌がその巨躯からは信じられない程のスピードで嵐に迫る

顔と顔が触れ合う距離まで肉薄し、そのままの体勢で体当たりした

2mはあるであろう巨体にぶつかられて無事な訳が無い

もちろん人間の場合であるならばだが

 

嵐「只の体当たりでこの衝撃。正直侮り過ぎていたのかもしれませんね」

 

嵐は静かに笑う

口は三日月に歪み、眼は獲物を追う者の眼になる

彼の者は戦場に咲く一輪の花

ある者は言う。それは暴風を引き連れる者だと

又ある者は言う。それは女神に良く似た悪魔だと

そして親しき者は言う。彼女は人の死を悲しめる者だと

 

嵐「私が何故ストームブリンガーと呼ばれるか、それをお教えしましょう!」

 

左腕を薙いだ。それだけで轟風がまき起こった

それは段々と竜巻の形になっていく

 

嵐「大・嵐・奏・霧!!」

 

黒い竜巻が白槌に迫る

それを一瞥して、無造作に両腕を突き出す

掴んだ。それだけでも凄い事なのにあろう事か粉砕した

嵐はその行為に唖然とする。あまりにも滅茶苦茶な解決法にである

白槌の眼が強く紅く光る。まだまだだと、こんな物では無いのだろうと無言で問い掛けてくる

嵐は薄く笑う。強き者を前にして尚も挫けぬその心

否、猛っている。ならば何としてでも屈させてみせると答える様に、彼女の体は内側から熱を発している

 

続け 

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