top of page

赤「蒼麻、この大会お前は如何見る?」

 

腕を組みながら訊いてくる

俺達双子は自己再生能力によって並みの人外よりも傷の治りが早い

相打ちになってから少しだけだが時間も経った。もう動いても大丈夫なのだろう

 

蒼麻「如何って言ったってなぁ・・・こうも予想外の事態が起きると何ともな」

 

そう、誰もが断罪皇帝が残るであろうと予想し、誰もが勇高赤が残ると思っていた

しかし現実に起こったのは双方とも敗北。こうも番狂わせだと一体誰が優勝するのか分かったモンじゃない

 

邪狼「あの断罪皇帝や魔桜・霊武が参加した時点で既に予想外なんだ。これ以上の事態が起こると思うか?」

 

蒼麻「つってもなぁ、次のGブロックの試合でどっちが勝ち上がろうが待ってるのは霊武さんだからな。八百長かって話だろ」

 

赤「次は確か・・・白帝か」

 

蒼麻「見た感じ、同じ剣士っぽいけどよ・・・・・・骸骨、だよな?」

 

邪狼「どっから如何見ても骸骨だろ。あれが骸骨じゃなきゃ俺様の目が腐ってるって事になる」

 

腰に無骨な刀を提げる骸骨剣士

何処から如何見ても着ぐるみには見えない

つまりは本物。全身が骨で出来ているスケルトンの上位互換種的存在

その例え方はある意味では間違いではなかった

彼は世に生を受けた時からあのままの姿なのである

それというのも彼が住まう世界には獣人や竜種、幻想の動物達が跋扈しているのである

故にあの姿である。その方が都合が良いという意味も含めて、彼は一生あの姿なのである

そんな彼の元に一人の男が立つ。名を真崎謙悟。件の戦神である

 

真崎「グラムさん、お久し振りです」

 

グラム「む?ほお、お主か」

 

真崎「あの時はお世話になりました」

 

グラム「いや、ミラ様ももう気にしてはおられぬ。些細な手違いであるしな」

 

真崎「貴方も参加していらしたんですね」

 

グラム「ミラ様のご命令でな。気乗りはせぬが存分に力を出せるというのでな」

 

真崎「成程。貴方とはもう一度戦ってみたいと思っていましたが、あの対戦表では・・・」

 

グラム「うむ、先程の試合でワシも無理だと悟った。心残りではあるが次の試合だけは全力で参ろうと思っている」

 

真崎「はい、僕も応援しています。頑張って下さい」

 

グラム「ミラ様のみならずお主の声援を受けられるとはな。何にも勝る力の源泉となるだろう」

 

そんな会話をかわしている二人を眺めながら、蒼麻達は心から思った。もう少し近ければ何を話しているのか聞こえるのにと

ぶっちゃけ二人との距離はあまりにも遠過ぎて今居る場所からは何も聞こえないのだった

何というか、間抜けである

 

続け 

bottom of page