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―――出会いは些細なキッカケ。

 

「・・・あ」

 

「如何した?」

 

「これ」

 

「そ、それはまさか・・・漫画とかで出てくる一目惚れした相手に送られるラヴなレター!略してラヴレター!!」

 

略し切れてないし、それは略称じゃない

しかし何とも古風な・・・靴箱に手紙なんて今時誰もしねえだろ

 

「それで如何するんだ親友。ラヴなレターを貰ったら場所に赴くのが通例だが?」

 

「いや、まあ折角だし出した相手には会ってみるが・・・」

 

そろそろその珍妙奇天烈な言い回しをやめろよ親友

ラヴとか確実に死語だと思うぞ

 

「ほほお、何々?場所は北校舎裏か・・・。こりゃあ見事にお約束な展開ですなマイフレンド!」

 

「勝手に見てんじゃねえよ。プライバシー侵害で訴えるぞ」

 

「ははは、時間は昼休憩の時でいいらしいな」

 

「人の話を聞けよ」

 

と言いつつヘッドロック

即座にギブアップの声

 

「遼亮、人にはやって良い事と悪い事があr・・・ギブ!ギブ!」

 

遼亮「まったく・・・」

 

一人げんなりとしていると突然後ろから声が掛かった

無駄に明るい声。朝からテンション高めな声量

 

「やっほー、お二人さんおはよー!」

 

「山辺ー、遼亮くんがいじめてくるよー!」

 

山辺「へー」

 

「興味ナッシング!?」

 

遼亮「奈美菜、こいつを甘やかすと付きまとわれるぞ」

 

(山辺)奈美菜「異性として見てないから大丈夫」

 

「アウト・オブ・眼中!?」

 

打ちのめされた哀れな男子生徒が一人

 

奈美菜「そういえば手に持ってる手紙はなーに?」

 

興味津々な顔で聞いてくる奈美菜

 

「ふふふ、聞いて驚け山辺。そういう事に関して音沙汰の無かった遼亮に念願のラヴなレターが来たのだよ!」

 

奈美菜「辰巳くん、ラヴは死語だと思うよ」

 

辰巳「思い掛けない所から鋭いツッコミ!?」

 

遼亮はその掛け合いをため息を漏らしつつ聞いていた

 

 

第一話

「キッカケ」

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