―――又の名を、『学校一のマドンナ?←ここ重要』。
ピンポンパンポーン
校内放送の音だ
スピーカーから聞こえてきた声は一人の女子生徒の物だった
「2年C組の城戸遼亮くん、至急生徒会室に来て下さい。繰り返します。2年C組の城戸遼亮くん、至急・・・」
スピーカーからの声に耳を傾けていたクラスメート一同が一斉にこちらに振り向いた
その声は見事に重なった「頑張れ」の一言
ちょっと泣きそうになったのは気の所為だろう
廊下に出ると一部の男子生徒からの視線が痛かった
殺気が迸ってるというか何というか
生徒会室に着いた。今からこの中に入る訳だが・・・
遼亮「(正直入りたくないのが本音だ)」
それは結果が分かっているから
しかし入らなくてはならない
何故ならそれ以外に選択肢は無いから
覚悟を決めてドアを開けた
目の前に
女の子の顔が
迫っていた
ホワッツ?何だって?
遼亮「(女の子が 俺に向かって 飛び込んで来た)」
Q.sneg?
A.「f○te」とか「は○はに」とか「プリ○ムアーク」辺りじゃね?
一瞬思考が停止した遼亮
それでも女の子が止まる訳ではない
Q.つまり如何なったんですか?
A.遼亮にダイレクトアタック!
遼亮「いや待て俺の頭、暴走し過ぎだ」
女の子を自分の上に乗せたまま頭を振り、正気に戻る遼亮
天の声を聞いた気がするが気の所為だろう
自分に覆い被さっている女の子を見る
彼はその女の子をよ~く知っている
遼亮「天木先輩、お帰りなさい。取り敢えず退いて下さい」
天木琴音
この学校の生徒会長にして理事長の娘
琴音「この一ヶ月、城戸さんに会えないのが辛かったです!今日はずーっとこのままで居ましょうね♪」
遼亮「え、いや、それは如何かと・・・あと退いて下さい」
琴音「本当はすぐに帰ってしまおうと思ったんですが、現地のファミリーに引き止められてしまいまして期限通りになってしまったんです・・・」
遼亮「な、なるほど。それだけホームステイ先の人と仲良くしてたんですね」
琴音「一分一秒も城戸さんの事を考えない時はありませんでしたわ!」
遼亮「いやソコはちゃんとしろよ」
琴音「全部城戸さんがわたくしの心を奪ってしまわれた所為ですよ?」
人差し指の腹で胸をのの字に撫でられる
遼亮「いや別に俺は何にもしていないというか、勝手に一目惚れしてしまった貴女様が悪いというか」
琴音「一ヶ月もお会いしていなかったからといって、いきなり様付けで呼ぶなんて。わたくしとしましては主従関係は逆を希望したいのですが・・・(////」
遼亮は段々顔が引きつって来た
憂鬱から一気に青ざめへ
物凄い変わり身の早い感情である
因みにこの会話、所々は違うがほぼ一ヶ月前と同じ状態である
ギャップってこういう事じゃないと思うんだ
ところで斎の出番は?
色々気になるけど又次回!
第十二話
「帰って来てしまった」
完