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―――茨の道と、真っ白な道と、貴方と歩く道。

 

ふと思って斎に訊いた

 

斎「・・・え?兄弟ですか?」

 

キョトンとして訊き返してくる

そんなにおかしかったんだろうか?

 

遼亮「あ、いや深い意味は無いんだけど・・・居るのかなあって」

 

そう、これはただの疑問

俺に妹が居る様に、奈美菜に兄と妹が居る様に

斎にも兄弟が居るのかと思った些細な疑問

 

斎「居ますよ。お姉ちゃんが一人」

 

遼亮「へえ。斎のお姉さんって事は綺麗な人なんだろうな」

 

惚気話になるかもしれないが、斎はとても可愛い

クラスではマスコット的存在になっている事だろう

いや、俺の個人的な意見な訳だけど・・・

 

斎「そう・・・ですね。シヅキお姉ちゃんはとても綺麗で、私なんかじゃ足元にも及ばない位です」

 

遼亮「そんなに凄いなら一度会ってみたいな」

 

まさか斎が手も足も出ない程とは・・・

 

斎「それじゃあ今度の休みに遊びに来ますか?」

 

遼亮「お、いいのか?」

 

斎「はい、私だけっていうのも如何かと思いますし」

 

それは先日の事を言っているんだろうか

あれは風邪だったのだから仕方無いのに・・・

まあ斎が良いと言うんだからお言葉に甘えよう

 

遼亮「えっと、じゃあ今度の休みに遊びに行くかな」

 

頬を掻きながら返す

ちょっと照れ臭かった

だからなのか

斎の笑顔に翳(かげ)りがあったのを見逃してしまった

多分それは、ほんの些細なトゲ

見落としてしまった心のイバラ

 

 

第十八話

「別れ道」

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