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―――隙間、間隔、段差、差異⇒ギャップ。

 

辰巳「しかし何でまた遼亮にラブレターなんて出すかね?」

 

遼亮「如何いう意味だ」

 

そう切り出した辰巳を睨む

俺はそんなに嫌われる存在か

 

辰巳「考えてもみろ。過去にも何度かあったが全てを一蹴してきただろう?」

 

奈美菜「へ?そうなの?」

 

奈美菜は高校からの付き合いだ

だから中学の時の事など知る由も無い

確かにラブレターや告白を体験した事は少なからずある

しかし何というか・・・馬が合わないというか、普通というか早い話が他人と違う部分が無かった

それは相手が悪いんじゃない

単に俺の趣味が特殊だっただけだ

 

遼亮「仕方ねえだろ、普通過ぎたんだからよ・・・」

 

辰巳「ギャップに惹かれるのはいいけど、それじゃあ相手が可哀想だぞ」

 

俺は面倒臭げに「んー」と空返事する

 

遼亮「まあ、取り敢えず今回のを終わらせてからだな」

 

そうした会話を挟みつつ時刻は昼休みに移る

北校舎まで行ってたら飯を食う時間が無くなるので、途中の売店でパンを二、三個買って行く事にした

 

遼亮「(パン持って告白受けるって、かなりシュールだけどな)」

 

しかし背に腹は変えられない

腹が減っては戦は出来ぬ

そうこう考えている内に北校舎裏に着いた

校舎に背を預ける様に一人の女子が立っている

あれが手紙の主かな?と思いつつ、声を掛けてみる

 

遼亮「君が手紙の差出人か?」

 

その言葉に彼女は少し顔を赤らめて答えた

 

斎「は、はい!今日はお忙しい中ありがとうございます!」

 

遼亮「いや、場所と時間指定されてる上で用事とか挟まねえし」

 

斎「あ、そ、そうですね。えっと、それで・・・その、あの・・・(////」

 

うわ、すっげえ真っ赤

俗に言うゆでダコ状態ってやつだな

そんな事を考えつつ、続きを待つ

 

斎「わ、わわわ、私と付き合ってください!(////」

 

スカートをギュッと掴んで、顔を真っ赤にさせて彼女は告白した

目はつむっている。恐いのだろう、ノーと言われるのが

そんなに気を張らなくてもいいのに・・・

過去何度かの時にも俺はそんな事を思った

たっつーに言うと「告白は女の子の一大イベントだからな」と返された

 

遼亮「・・・一つ聞きたいんだけどさ」

 

彼女はビクッと震えて、小さく「はい」と答えた

今思うと何故あの時だけあんな事を聞いたのか未だに分からない

 

遼亮「何か他のやつとは違う部分ってあるか?」

 

彼女は少し考えて小さく「あります」と答えた

 

 

第二話

「ギャップ」

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