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―――しごく【扱く】:1.厳しく訓練する。2.##検閲削除されました##。

 

数学の勉強から約二時間後

 

遼亮「・・・・・・なあ、斎さんや」

 

俺は手の平で顔の前を覆いながら呻いた

まさかここまでとは思わなかった

テーブルの上には教科書が五科目分

最初の数学から始まり、英語、化学、地理と来て現国である

 

斎「チュー・・・何ですか、先輩?」

 

斎はストローから唇を離して答える

 

遼亮「学力についてはもう何も言わん。だけどな、何故にこうも漢字を間違えるのかな?」

 

部首を間違えるのはまだいいとして

何で数珠を珠数と書いた

さっきも地理で鳥取を取鳥って書いたよな?

俺、すっごい不思議だよ

 

斎「えーっと・・・多分マンガに書いてあったのをそのまま覚えて?」

 

遼亮「ギャグマンガか何かですね、分かります」

 

もうツッコむ気にもならん

因みに英語の時は「I,my,me,mine」の意味をわたし、わたしの、わたしを、マインスイーパと答えた

冗談か何かだと思った。しかし現実は非情であった

化学は凡ミスだったのでまだよかった

具体的に言うとフラスコとビーカーを間違えた程度

目の前の惨状を見て俺は宣言した

 

遼亮「今日は徹夜でするぞ。幟月さんに電話をしておけ」

 

この惨状を如何にかするには心を鬼にしなければならない

俺の睡眠時間と勉強時間を生贄に、斎の学力を上げる!

 

斎「え!?と、という事は・・・今夜は先輩と二人でベッd・・・(////」

 

遼亮「寝させる訳ねえだろうが。今夜は朝までキッチリしごいてやるからな」

 

斎「うぅ、せ、先輩、目が恐いです・・・」

 

斎はプルプル震えているが、今の俺は鬼だ

聞く耳持たずというのは正にこの事である

 

 

第二十三話

「俺の心に火が点いた」

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