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―――晴れ、時々くもり、ところにより小爆発。

 

祝日、一般的には何かの行事がある日の事を指す

心の休息を推奨する日、に何故だか異様なオーラが漂う一軒家があった

周囲の家々は「ああ、またか」程度に思っているのだが、そんな言葉じゃ済ませられない人間が一人

 

斎「・・・これ、入っていいのかなぁ?」

 

今まさに玄関のドアを目前に控えながら立っていた

最早オーラというより滲み出る混沌とした煙である

現に煙が出てる、真っ黒いのが。誰か消防車呼んでと言いたくなる様なのがモクモクと

嫌でも不安になるという状況である

ドキドキしながらドアを開けてみるが、中は案外普通だった。まあ一階部分だけなのかもしれないが

久し振りに遼亮の家にお呼ばれしたのでルンルン気分で来たら、火事かと疑いたくなる外観だったら誰だって恐い

 

斎「テスト勉強の時は結局何も無かったしなぁ・・・」

 

本当に何も無かったのである

そういう事をやる暇があったら一つでも多く知識を頭に詰め込めと、遼亮が言ったので仕方無かったのである

斎としては折角二人きりなのだから羽目を外してもいいんじゃないかと思った

しかし原因は彼女にあるという事を忘れないでいただきたい

おこがましいにも程があるのである

 

斎「先輩、勝手にお邪魔させていただきました・・・・・・よ?」

 

インターホンを鳴らしても返事が無いので勝手に上がってきたのである

そして特にノックもせずに部屋のドアを開けたのである

ベッドの上に座っている月子とその隣りに座っている遼亮

ここまではいい、よく見る兄妹の光景だ。問題はその二人の状況

 

遼亮「ん?如何した?」

 

遼亮の服は所々黒く焦げてはいるがその程度

一方の月子は上半身裸・・・というより現在進行形で遼亮が脱がしている

兄妹の行き過ぎた行為を目の当たりにして、彼女である所の斎が何も言わない筈がなかった

 

斎「な、何やってるんですか先輩!?」

 

遼亮「え、俺?・・・何って月子の服を脱がせてるんだが?」

 

見れば分かるだろと疑問を投げ掛けてくる

しかし斎が聞きたいのはそういう事ではない

確かに視界の隅に黒焦げのボロ雑巾みたいなのが転がっているが、今の彼女の目には映らない様だ

 

斎「そうじゃなくて実の兄妹が及ぶ行為じゃないと言って・・・月子ちゃん、ドサクサ紛れにくっ付かないで!」

 

ぴとっと上半身裸のまま遼亮に抱き付く月子

眼鏡の奥で何か企んでそうな目が揺れた

そしてニヤソと微笑んだ、その瞬間・・・

 

斎「先輩の胸の中は私の特等席なのー!いくら月子ちゃんでもそれはダメー!!」

 

面白い位にゆでダコ状態になって怒り出した

そして漸く事態を把握したのか遼亮が説明をし始める

正直このまま数分間続けた方が読者もニヤニヤ出来て良いと思うのだが、如何せん遼亮はそういう部分に鋭かった

 

 

第三十八話

「三角関係」

 

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