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―――○○の刑。
春になっても風は冷たし
早く夏が来ないかなと考えながら歩く朝
右隣りには女の子
左隣りにも女の子
遼亮「・・・・・・」
少女「・・・ねえ、その人誰?」
右隣りの少女が口を開く
切れ長の目をしたサイドテールの女の子
遼亮「・・・・・・彼女、だ」
短いながらも威力はある
少女「ふーん・・・やっとお兄ちゃんにも彼女が出来たんだ」
斎「い、妹さんだったんですか」
遼亮「う゛、まあ、こんな感じではあるがれっきとした実の妹だ」
ほえ~としきりに感心する斎
そんなに似てないのだろうか?
いや、まあよく言われるから似てないんだろうな
遼亮「お前と同じ一年生だから、仲良くしてやってくれ」
月子「城戸月子・・・よろしく」
握手を求めてきたので斎も握手で返す
握手は友好の証だ
その光景を見ながら遼亮は口を出した
遼亮「お前がそんな積極的になるなんて珍しいな」
月子「何だか好感が持てるから」
遼亮は何だか複雑な気持ちになった
そしてそれとなく月子の頭に手を乗せ
遼亮「それじゃあ頭なでなでの刑だな」
斎「刑って・・・」
斎は苦笑
月子「ん・・・(////」
辰巳「月子ちゃんは○○の刑という言葉が好きだからな」
遼亮「お前、何時から居た?」
辰巳「さっきから居たけど誰も気付いてくれないんじゃないかー!!」
涙目だった
滝の様な涙目だった
むしろ男泣きだった
第四話
「妹」
完
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