top of page

―――テレビでも紹介された人気店。

 

遼亮「・・・・・・(////」

 

何だか気恥ずかしい

ここがフラミセとか学校だったら、こんなに変な気分にはならないというのに

そう、俺達が今居るのは慣れていない場所

なんて事の無い喫茶店だ

問題は客の割合なのだが・・・

 

斎「はい、先輩、あ~ん♪」

 

遼亮「やらなきゃ駄目か、斎?(////」

 

斎「今更恥ずかしがる事なんて無いじゃないですか」

 

遼亮「いや、これは恥ずかし・・・分かった、食べるから」

 

正直恥ずかしくない訳が無いんだ

だって俺達の他は女性客ばっかりだし

何というか自分がここに居るのはおかしいんじゃないかと思う訳で

羊の群れに放り込まれた狼みたいな気分だ。危険度は逆転してるけど

そんな事を考えていると紅茶が空になった

そこにグッドタイミングで店員が通りかかる

 

遼亮「あ、すいません。紅茶のお代わり・・・を゛!?」

 

店員の顔を見て驚いた

だってその顔、如何見ても・・・

 

遼亮「辰巳・・・だと!?」

 

そう、辰巳だ

こんな眼鏡男子、探せば何処にでも居るだろうが、滲み出る変態オーラだけは間違えられない

こんな濃厚な変態オーラは辰巳以外の何者でもない!

 

辰巳「何か凄く理不尽な事を言われている様な気がするんだが?」

 

遼亮「気の所為だ。それより校則でバイトは禁止の筈だが?」

 

「お兄さんには手伝って貰ってるだけですよ?」

 

辰巳「っと。宇美菜ちゃんか」

 

宇美菜と呼ばれた女の子は辰巳の横に来るとそう言った

 

宇美菜「初めまして、山辺宇美菜です。いつも姉がお世話になっています」

 

奈美菜の妹だけあって良く似ている

言っていなかったが、俺達が今居るこの店は奈美菜の両親が経営している喫茶店だ

ケーキが人気で女性客がよく来る喫茶店と言った方が正しいかもしれないが

なのに奈美菜が居ないというのは何故かというと、運動神経は良いのに不器用なので戦力外通告されたからである

多分何処かのテーブルに座っていても誰も何も言わないだろう

 

 

第四十四話

「喫茶『MarineSnow』」

bottom of page