―――苦悩した末に待つものは。
他の人が驚いている中、一人の女子が密かに戸惑いの表情を浮かべた
たっつーはポカンと口を開けて固まっていたが、我に返ったのか至極全うな事を訊き返した
辰巳「何で俺ナンデショウカ?」
ショックが抜け切っていないのか後半が片言だった
たっつーの問いに恋花はノンタイムで言った
恋花「一目惚れ♪」
そうか、一目惚れか
それじゃあ仕方無いよな
クラスの男子女子関係無く一人も欠けずに納得すると、後は二人でお好きにどうぞと言わんばかりに丸投げした
本当にウチのクラスの団結力は異常だ
椿「欠席は居ないなー?じゃあ、これで朝のHR終わるぞー」
辰巳「ちょ、ちょっと待った!こんな堂々と不純異性交遊が締結されようとしてるのに、先生見逃すんですか!?」
椿「はあ?学の無いガキじゃねえんだから大丈夫だろ」
辰巳「もしかすると、とか考えないんですか!?」
我等が炎馬ティーチャーはしばし考えて
椿「そん時は私の拳が真っ赤に染まるだけだ」
そんなバイオレンスな事を真顔で言う辺り、この教師も中々に頭ブッ飛んでる
まあ、それもその筈
炎馬椿はこの学校のOGであり、かの水斗さんとは同級生である
つまり・・・水斗さんが昔不良してた頃の相棒という訳である
この事実は二人一緒に楽しく話していたのと、水斗さん本人が話した事で露呈した
遼亮「(何でウチの学校ってPTAから苦情来ないんだろう・・・)」
恋花「返事は早い方がいいから、その時になったら呼んでね!」
辰巳「いや待った、勘違いとかされてたら嫌だから言うけど・・・俺、変態だよ?」
須藤「何ぃ!?まさか自覚があったとは・・・」
天海「う、うわ、これ実は夢でしたっていうオチだよね?」
蟹崎「残念だけど現実よ。ほっぺたつねってもよく伸びる事以外に何も起こらないもの」
グニグニと自分のほっぺたをつねる蟹崎さん
確かによく伸びている。そしてその様子がちょっと可愛い
恋花「私は好きな人が変態さんでも気にならないから大丈夫だよ!」
遼亮「おいおい、変態を許容出来るとか凄い感性してるな」
遼亮が己の事を棚に上げて呟いた
蟹崎「城戸くんも人の事言えないけどね」
しっかりツッコまれた
第五十話
「まさかの自覚あり」
完