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―――頑張ってる背中を見ると、こっちまで頑張ろうって思うんだ。

 

場所は変わらず放課後の教室

何故か祖父ちゃんの話で会話が終わってから数分後

職員室に行っていた恋花が帰って来た

一枚の紙切れをその手に持って・・・

 

恋花「ねえねえ、たつみんは何のクラブ入ってるの?」

 

蟹崎「たつみんは帰宅部じゃなかったっけ?」

 

須藤「たつみん・・・ぷっ・・・はクラブよりも変態行動に汗流してるからな。たつみん・・・ぶふっ!」

 

辰巳「お願いしますから、たつみんはやめて下さい。須藤が死にそうです」

 

その言葉通り須藤は笑いのツボを刺激されたのか大声で笑い出した

たつみん如きで爆笑するとか低レベルにも程がある笑いのツボではあるが

というか天海のあだ名と被ってるじゃねえか

 

遼亮「あ、という事はそれって入部届けか」

 

恋花「先生に入るか入らないかだけでもいいから決めろって言われちゃって・・・」

 

恋花はシャーペンを指で回しながら唸った

何時でも何処でも一直線、ポジティブシンキングの塊である恋花が悩んでいる

・・・というある意味おかしい状態を察してかたっつーが声を掛ける

あくまで、あくまで友達としてである

もう彼女居るのに他の女の子に手を出すなんて、この変態がする訳無いじゃないか

 

辰巳「何かやってみたい事とかないのか?そこから何部がいいか決まるかもしれないし」

 

恋花「・・・・・・私、誰かが頑張ってる所が好きなんだ。何か応援してあげたくなっちゃうんだよね(////」

 

照れを含むその顔は純粋にそう思っているのが見て取れた

応援してあげたいという事はつまり、

 

遼亮「チア部とか如何だ?」

 

恋花「チア・・・チアリーディング部って事?」

 

蟹崎「あら、良いんじゃない?体育とかでも結構活躍してるし、運動神経悪くないと思うわよ」

 

辰巳「見えるか見えないかの微妙なミニスカート丈に隠された白き三角地帯・・・・・・チア部、良いな」

 

遼亮「真顔で言う事か」

 

たっつーもこう言ってはいるが、友達が悩んでいるのに何もしないなんて駄目だと思っての事なんだろう

 

恋花「うん、それじゃあチア部に入部って事で!」

 

まさにチア部と書こうとした瞬間、天海が思い出した様に声を上げる

 

天海「ウチってチア部なんてあったっけ?」

 

一同「・・・・・・え、無いの?」

 

天海「いや、ウチの学校って何処の運動部も大会とか狙ってなかった筈だからさ」

 

大会を狙わない運動部に対してチア部なんて必要だろうか?

甲子園を目指さない野球部に応援団なんて存在を求められるのだろうか?

恋花は静かに入部届けにシャーペンを走らせる

入部先は帰宅部

もう誰も止める者は居なかった

 

 

第五十七話

「ここまで引っ張ってソレかよ!」

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