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―――甘くて、柔らかくて、例外として醤油風味。

 

朝隣りで斎の話を聞きながら登校

昼辰巳と購買のパンをかじりながら談笑

そこに自作の弁当を持った斎が来る

中々の美味だった。取り敢えず食べさせ合いは教室でやる物ではない

そして下校中

 

辰巳「遼亮」

 

遼亮「ん?」

 

辰巳「もうキスは済ませたか?」

 

遼亮「ぶっ!!」

 

ゴンッ

電柱に頭から突っ込んだ

完璧に不意打ちである

 

遼亮「い、今何て・・・」

 

半分顔を赤くさせて俺は訊きなおす

頭がクラクラするのは電柱にぶつかったからか、それとも辰巳が言った単語の所為か

 

辰巳「付き合ってまだ三日だと言いたいんだろう。だがな、年頃の男女だぞ?常識なんぞを突き破ってこそ真のカップルと言えるんじゃないか?!」

 

遼亮「訳の分からん理論を持ち出すな。あと人を指差すな」

 

辰巳「常識を突き破れよ、初心者彼氏ー!むしろ他の所を突き破るのも可・・・ギブ!ギブ!落ちる!!」

 

遼亮「逆にお前に常識を問いたいわ!」

 

下校時間とはいえ人の行き来する道

下ネタ過ぎる会話は如何かと思う。倫理的に

落ちる手前で解放し、俺は家路につく

一人残された辰巳はぼそっと呟く

 

辰巳「常識外れてでも応援するのが、真の親友ってモンだろうが」

 

家に着いて自室に入る

カバンを放り投げて、そのままベッドに身を預ける

今鏡を見れば、俺の顔は確実にゆでダコ状態だろう

 

遼亮「・・・・・・キス、か(////」

 

口にした途端に頭の中に現れたイメージ

それは告白を受けた後の場景

何であの時あんな事をしたのか・・・

俺はベッドの上でジタバタしながら、激しく後悔していた

 

第六話

「AやらBやら」

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