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―――その時、検閲が動き出す。

 

どうも、城戸遼亮です

心の声で申し訳ありませんが緊急事態です

昼休みに入ったと同時に生徒会室に拉致られました

え、犯人?大体分かるでしょ?

 

琴音「城戸さん、私の作ったお弁当美味しいですか?」

 

遼亮「味の感想聞く前に縄を解いてくれませんかね」

 

購買にパンを買いに行こうと教室を出た瞬間、俺は何処からとも無く投げられたロープに絡めとられていた

何が起こったか分からず呆然としていた視界の隅に、チラッとメイドさんが映った様な気もする

その直後に黒服の男二名に担がれて行った俺

黒服なんて初めて生で見たなと考えている内に生徒会室に放り込まれていたのである、まる

 

琴音「ああっ!?城戸さんの逞しい腕に縄の痕が・・・これは私責任を取らないと・・・」

 

言って制服に手を掛ける天木先輩を必死に制す

しかも俺のじゃない、自分の制服にだ

 

遼亮「瑞華さん、何でこのお嬢様こんなにはっちゃけてるんですかね?」

 

傍で静かに待機している瑞華さんに小声で訊ねてみる

縄でグルグル巻きにされている時から、顔に赤みが指していたのは気の所為だろう

ああ、気の所為だ。気の所為という事にしておこう

 

瑞華「亀甲縛りで野外プレイ(////・・・・・・こほん、それは偏にお嬢様と遼亮さんが顔を合わせる事が減った事による結果かと」

 

遼亮「・・・そういえば、この所先輩とは全然会ってなかったな」

 

何だ、それが原因かーと、前半部分で聞こえた言葉を記憶の外に押し出そうとした

現実逃避とはかくも難しいものである

そうこうしている内に先輩が正常な状態(?)に戻った

 

琴音「気を取り直して本題に入る訳ですが、今年のお祭りについて城戸さんに協力して貰おうと思ってお呼びしました」

 

遼亮「お呼びしましたってレベルじゃなかったですよね?」

 

琴音「それは、その・・・自分の欲望が出てしまいました(////」

 

頬を赤らめて照れながら言う台詞では断じて無いが、それでは話が進まないので取り敢えずツッコミを飲み込んだ

 

遼亮「お祭りって・・・ああ、そろそろ桜花祭か」

 

桜花祭毎年4月になると行われる学校行事の事である

桜の花に囲まれる事により自然の偉大さを肌で感じ取ったり、心身を落ち着かせるといった全校生徒絶対参加の課外授業

・・・という建前の無礼講上等の大花見大会である

 

 

第六十一話

「久々に濃い人達」

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