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―――色々と・・・ブッ飛んでます。

 

あれから、あの祭の日から俺の周りは変わった

元々変わっていたモノが普通になったというか

むしろおかしいモノが更におかしくなったというか

逆に何故そうなったんだと問いたくなる様な事になったというか

上手く説明出来ないんだが、取り敢えず見たままの光景を言うとだな・・・

 

遼亮「たっつーと奈美菜が恋人で天海が極デレな上に天木先輩がまともな対応をしてきた」

 

右手に持った箸でエビフライを挟みながら、探偵並みの眉間に皺が寄った表情をして言った

その言葉を受けて斎は静かに答える

 

斎「へ~、辰巳先輩と山辺先輩って付き合ってたんですか~・・・・・・・・・ふぇ!?」

 

途中までは普通に答えていたのに数秒後に素っ頓狂な声を出して驚いた

正直反応が遅いと思ったが、言われた時の俺も人の事は言えない遅さだったので由としよう

 

斎「え、で、でも何でなんですか!?辰巳先輩って・・・その、変態さんじゃないですか。何というか、噛み合わないというか・・・」

 

酷え言われ様だが、否定してやれないのもまた事実である

斎が言わんとしているのは多分噛み合わないという事ではなく

変態と一般人って住む世界違いませんか?とかそういう事だと思う

言葉としてはもっと酷くなったのは言うまでもない

 

遼亮「何か朝教室に入るとさ、たっつーに「実は俺達付き合ってるんだ」って清々しい笑顔で言われてさ。お陰で男子の半数は膝から崩れ落ちるし、須藤と寅川はこめかみに青筋立てながら無言で壁を殴るし、炎馬先生はシャドウボクシングを始めるしで・・・もうカオスだよ」

 

斎「確かに・・・カオス、ですね」

 

その光景をイメージしたのかげんなりしながら返す

 

遼亮「因みに天海な、彼女が出来たらしいんだわ。桜花祭中に告られてOKしたらしい」

 

斎「わぁ、それはおめでたい事じゃないですか!」

 

遼亮「まあ、ただその彼女がここら辺でも有名な極道の娘でさ。確か斎と同じ学年の嘉室って子だったと思う」

 

斎「あ、嘉室さんだったら心配しなくても大丈夫ですよ。お母さんの方が強いらしいですから」

 

それもそれで色々ありそうだけどな

女系家族に男が一人居ようが二人居ようがパワーバランスは覆らないと思うんだ

と、斎が思い出した様に訊ねて来た

 

斎「あ、そういえば天木先輩がまともな対応っていうのは一体如何いう・・・?」

 

遼亮「いや、以前と違って私利私欲で俺を呼び出さなくなったんだよ」

 

斎「えっと・・・具体的に言うとどんな感じになったんですか?」

 

遼亮「先日の桜花祭での花火はとても良かったです。お嫌でなければこれからも我が校の為に手助けして頂けたら嬉しいです・・・って言われた」

 

斎はポカーンと口を広げて固まった

うん、それだけの破壊力は持っていた

だってあの天木先輩だからな

しかし何だって先輩はあんなに変わってしまったんだろうか?

 

 

第六十八話

「犯人はお前だ」

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