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―――我々は真実を追究する者なり。

 

奈美菜「何かいいネタはないかにゃ?」

 

その日の昼はそんな言葉から始まった

 

辰巳「如何したんだ山辺、何か変な物でも食べたのか?」

 

女子A「辰巳君じゃないから、それは無いよ」

 

辰巳「俺を何だと思ってるのさ、蟹崎さん・・・」

 

涙目だ

何ってムードメーカーじゃないか?

 

辰巳「お、遼亮。お前良い事言うな!」

 

復活した

何とも立ち直りの早い

 

遼亮「当然悪い方の意味でだけどな」

 

辰巳「ムードメーカーの悪い方って聞いた事ありませんがっ」

 

そりゃあお前専用の造語だからな、とクラスの男子諸君が笑う

何とも結束力の強いクラスである

 

奈美菜「それでー、何かいいネタはないですかにゃ?」

 

遼亮「・・・と言われてもな」

 

そんなにいいネタなんて転がってる訳無いし・・・

と、蟹崎さんが手を挙げた

 

蟹崎「私、城戸君の恋愛事情が知りたいな」

 

男子A「あ、俺も」

 

男子B「だよな、だよな。あの告白キラーがOKした相手だもんな」

 

女子B「可愛い女の子だったよねー!」

 

途端に数人のクラスメートが話に加わってくる

くっ、結束力が仇になるとは思わなかったぞ

辰巳がニヤニヤした顔になっていたので、構わずヘッドロックしておく

 

辰巳「八つ当たりは人としてよくな・・・ギブ!ギブ!」

 

奈美菜「大丈夫!わたし達新聞部は真実しか書かないから!!」

 

遼亮「いやいやいや、他人のプライバシーに土足で踏み込む時点でそれはもう如何かと・・・」

 

逃げ、ようとした

しかし即座に数人の男子女子に阻まれた

ぐあっ、鋼の結束力!?

この後、壮絶な追いかけっこが始まるのである

 

 

第八話

「期待の新星」

 

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