top of page

先にAnotherを読む事をオススメします。(とあるキャラが出張して来ている為)

 

 

斐綱「ふわ~ぁ」

 

人外達が暮らす街は平和その物だった
小鳥がさえずり、風は踊り
風だって空気中のマナで活動しているのだから
あながち間違っていない

 

斐綱「・・・如何して、こうも陽気かねぇ」

 

陽気だと何か不都合なのかって?
ああ、不都合だね
何たって眠くなる
というか現在進行形で眠い
と、それにリィスが答える

 

リィス「殺伐としてるよりは良いと思うぞ」

 

斐綱「まあ、そうだけどよ・・・」

 

お前のは極論過ぎるんだよ・・・
つーか、ソレ冷や汗モンじゃねーか

 

「今日は用事があったんじゃないんですか、マスター?」

 

何時の間にか横に居たのは

 

斐綱「おお、黒音。お前も来るか?」

 

少し前まで俺の事を憎悪していた少女
今では(何故か)マスターと呼ばれる程の間柄だ

 

黒音「マスターがそう言うならお供しますけど」

 

これはこれで可愛いものである
全く、数日前とはまるで違う
天と地程の差とはまさにこの事だ
まあ、懐かれるのはこちらとしても嬉しいけど
支度をして街を出る
支度といっても花束を一つだけだが
獣道を抜け、海の見える草原に来た

 

斐綱「おーい」

 

探し人を見付け手を振って呼ぶ

 

クライ「あ、斐綱兄さーん♪」

 

律儀に手を振り返し、こっちに走って来る
と、何を考えたのか俺目掛けて飛び掛って来た
知らない人の為に一つ言おう
俺は既に死んでいる
故に肉体と云う物が無い
だから飛び掛られたら如何なると思う?

 

クライ「に゛ゅっ!」

 

結果:顔面から大地にダイレクトアタック!!

 

斐綱「お、おい、大丈夫か?」

 

クライ「大丈夫です~、私は虹ですから~」

 

やっぱり何処か打ったんだろうか?
お兄ちゃん心配になってきた

 

斐綱「ほれ」

 

花束を渡す
それは見事なアメジストセージで
花言葉は確か「家庭的、家族愛」だったか
兄貴から妹へのプレゼントとしては合ってると思うが

 

クライ「うわぁ・・・ありがとうございます、斐綱兄さん♪」

 

クライ「これは見事な藤の花ですね♪」

 

・・・・・・
 

斐綱「(似てる!似てるけど違うぞ、クライ!!)」
 

お兄ちゃん、物凄く心配になってきたぞ?!
その時黒音はこう思ったとか何とか
 

黒音「(何というか・・・ズレてますね)」


闇本・求-彼等のその後-
前編

 

 

 


クライ「ねえねえ、斐綱兄さん。最初に会った時、何で私があんな所に居たか分かります?」

 

斐綱「ん?・・・いや、全然分からん」

 

クライ「あれはですね。雨が無いと虹は出る事さえ許されない、輝く事すら拝めないって言われたからなんです」

 

斐綱「さっき言ってたジェイルって奴にか?」

 

クライ「はい」

 

斐綱「だからってお前、あんな何も無い所で一人とか攫われても何も言えないぞ。俺が通り掛かったからいいものを・・・」

 

クライ「はい、その点は斐綱兄さんに感謝です♪」

 

本当に何も無かったからな
周囲何mかは雑木林だしな
しかも誰も通らない様な穴場中の穴場の様な道

 

クライ「でも斐綱兄さんに出会って一緒に過ごす内に、雨が無くても輝けるって知りました」

 

斐綱「ほお、そりゃ何でだ?」

 

クライ「何時も傍に大切な人が居てくれれば、誰だって輝けるからですよ。他には何も要らない、その人が居てくれるだけで・・・良いんです」

 

斐綱「何時も思うが、お前のその笑顔は反則だ」

 

黒音「マスター、鼻の下が伸びてますよ」

 

斐綱「妹相手に伸びるか!」

 

クライ「あはは、黒音ちゃん、ヤキモチですか?♪」

 

黒音「な、違います!」

 

プイっとそっぽを向く

 

斐綱「そう拗ねるなよ、黒音」

 

そう言って黒音の頭を撫でる
撫でられた黒音の横顔はこちらからは見えないが
見事に赤く染まっているのだろう
それを見ながらクライは一言

 

クライ「あ、斐綱兄さん、私もして下さい!♪」

 

斐綱「お前なぁ・・・」

 

呆れながらも撫でる
そんな毎日が昔もあった
そんな日々を思い返し
これから続いていく生活を夢見て
俺達はこれからも歩いていく

 

クライ「斐綱兄さん、私達家族ですよね?」

 

斐綱「ああ、リィスも夜深もお前も黒音も全員俺の大切な家族だよ」

 

それだけは変わらねえ
それだけはどんな事があっても壊させやしねえ


闇本・求-彼等のその後-
後編

 

 

bottom of page