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相原「お、角煮だ」

 

角煮と呼ばれた男子生徒が豆粒みたいな距離から全速力で走って来た

因みに彼の名は角二錠(すみふたじょう)。あだ名は角煮

 

角煮「かーくーにーって呼ぶんじゃねーっ!!!!」

 

おお、怒り心頭。猪も真っ青な突進の破壊力だ

当たっていればの話だが

フゥハハー、まだまだ修行が足りんな角煮くん

 

角煮「角煮って呼ぶなって何度も何度も何度も何度もテメエの鼓膜破る位に言ってるよなー相原ぁ?!!!」

 

おおぅ、おおぅ、揺れる揺れる

頭がガクガク前後に揺れ過ぎて正直気持ち悪くなってきた

ぐぇ、首絞まってる首絞まってる。殺す気か

 

角煮「テメエが言わなくなけりゃ殺すのも辞さねえ覚悟だよこっちはっ!!!!」

 

正直ワンブレスでここまでの啖呵が叫べれば、さぞや体育祭の応援団の勧誘も多いんだろうな

とか段々意識を失っていっているぼやけた頭で考えた

そうか、今日は俺の二回目の誕生日だったのか

だったらこの気持ち悪さも納得がいくというものだ。俺男だけど

 

相原「ところで一条、安全日は何時だ?」

 

実綾「うむ、すまんが先日通過した。今日は確実に危険日だから襲っても構わんぞ」

 

相原「ふむ、謹んで辞退する事にする。この年で父親にはなりたくないからな」

 

実綾「子育ては夫婦揃ってと決めているから覚えておくがいい」

 

相原「なるほど、後学の為に心に刻んでおこう。感謝する」

 

実綾「なに、共に条令入りしている戦友(とも)への手向けだと思ってくれればいい」

 

相原「君の瞳にランボルギーニ」

 

実綾「戦友(とも)の未来に祝福を込めた一刀両断を」

 

ガッシと握手を交わす二人

さっきの会話のどこに共感を得る言葉があったのか

理解に苦しむ光景であった

会話の端々で三条がビックリしたり赤面したり悲しそうな顔をしたりと、大いに四面楚歌していたのも印象深い

気付かぬは当人ばかり

 

後藤「何で君達は人が話している隙に意味不明な会話で親睦を深めるんだ。無視されている自分が情けなく思うじゃないか」

 

鹿原「つかそろそろ予鈴鳴るから一時解散しねえか?」

 

どっと疲れた様に鹿原が提案する

初めてかもしれない・・・鹿原がツッコミ以外の事をしたのは

 

鹿原「オレはどんな人間だよ!」

 

あ、鹿原帰って来た

おかえり!外の世界は如何だった?

黒髪の幼女とかガイコツのお爺さんとかに会えた?

あ、それとも双子の犬にじゃれつかれたとか?

ま、まさかとは思うが幻の四十四男八女に出会ったとか言うんじゃないだろうな・・・?

 

鹿原「何でそんな的確な人物像なんだよ!あと最後の幻って何だ?!激しく気になるぞ!!」

 

おかえり鹿原。色んな意味でおかえり

俺も愛してるよ

 

鹿原「どさくさに紛れて何言ってんだオマエは!?怖気が走るわ!!」

 

相原「こんなに可愛くキマってるのに何を言っているんだ。鹿原、貴女疲れているのよ」

 

鹿原「オレは可愛くないっつってんだろうが!あとオマエには言われたくないわ!!」

 

そんなお前の姿なんて見たくない

俺達これで終わりにしよう

 

鹿原「オマエが終われぇっ!!」

 

渾身のコークスクリューが俺の顔面に飛んで来た

そこまでは覚えている

その先はお子様には刺激が強過ぎるので、酸いも甘いも噛み分けた大人になったら教えてあげよう

以下次号 

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