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どれだけの間そうしていたのでしょう
意識を取り戻した私が顔を上げると
―――目の前に本が浮いていました、まる
全国8万1千人くらいの私のファン達へ
今すぐこの夢の様な状況から逃がして下さい

 

「なに鳩が豆鉄砲喰らった様な顔してんだ、小娘」

 

うわ、喋った!
もしかしなくても自我搭載式ロボットか何か・・・とか?

 

「テメエ等人間の考え方で完結させんじゃねえよ。ものっくそ違えし」

 

「違う・・・の?」

 

「見当違いも甚だしいな。つーか目上には敬語使え、人間の小娘」

 

何気にランクアップしました
全然嬉しくないですが
というか目上なんだ。本なのに

 

「小娘じゃないです。私の名前はルリです」

 

「俺は闇に沈んだ本だ」

 

ルリ「そうなんですか」

 

闇本「ああ」

 

・・・・・・ん?
あれ、今何て?

 

闇本「如何したルリ、またそんなムンクの叫びみたいな顔して」

 

私はピキリと固まった
それが私と彼の話を綴った二ページ目

 


第二話
「本と女の奇妙な会話」

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