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闇本「魔王の鉄槌っつーのは、中世に起きた魔女の鉄槌を基盤とした人外狩りの事だ」
ルリ「じんがい・・・」
闇本「ああ、分かんねえか。例を挙げるなら吸血鬼とか魔女とか死神とかの、所謂『化物』と呼ばれてるヤツ等の事だ」
ルリ「・・・キマイラ」
闇本「おー、よく知ってんなぁ。・・・いやアレは微妙だぞ?色んなモン合成してっからベースがどれだか分かんねえし」
ルリは自分の右腕を押さえる
動悸も少し激しいが、それは彼女にとって何時もの事だった
しかしそれを見逃す闇本ではなかった
闇本「腕が痛むのか?」
ルリ「いえ、たまになるんです。だから心配される様な事は・・・」
闇本「そんな無理に表情を作るな。契約とは心の共有を意味する。お前の事で分からない事は無いんだぞ」
ルリ「それってプライバシーの侵害・・・」
闇本「いいから見せてみろ。これでも俺はお前の体を心配しているんだぞ」
ルリ「それは契約を破棄されるのが嫌だからですか?」
呼吸を乱しながら、尚もそんな事を言うルリ
闇本「もういい、言って聞かないんなら力づくで見せて貰うぞ」
ルリ「力づくって、貴方は本じゃな」
そこまで言って気付いた
自分の目の前には本が浮いていた筈
なのに今自分の目の前には一人の青年が居るではないか
あまりの予想外な出来事に一瞬思考がストップした
その隙に青年はルリの右腕を掴んで露にする
右腕には沢山の獣の皮膚が浮かんでおり、肩には小さいながらも羽が生えていた
その異物こそがルリの心の傷
色々な謎を紐解く五ページ目はこうして描かれた
第五話
「二人が出逢った意味」
完
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