『・・・おい』
ルリ「むにゃむにゃ・・・」
『・・・おいって』
ルリ「んにゅ・・・もう食べられないよぉ・・・」
『・・・#』
ルリ「ん~、そんなトコ探しても何もな・・・にゅぐっ!?」
闇本『起きたか?(^ω^#)』
ルリ「もっと安全な起こし方ってあるんじゃないでしょうか・・・」
ルリはうつ伏せに大の字になっている
中々起きないので闇本が蹴ったのである
闇本『うるせえ、お約束言いやがってからに』
ルリ「もお、女の子にこんな事するなんて酷いですよぉ闇本、さ・・・」
ルリがそこまで言って固まった
見詰める先には闇本が“立っていた”
尚もポカンと口を開けたまま放心するルリ
流石におかしいと思い闇本が声を掛けた
闇本『おい、また豆鉄砲喰らった顔して如何し「闇本さん・・・ですか?」・・・俺じゃなかったら誰だって言うんだよ』
さあ、誰だ?と問い掛けるその姿は人間そのもの
昨日の事を思い出す。話を聞いた後の事だ
寝ようにも寝具が朽ちているので無理
ならば俺の中で寝ろと闇本が自分の体を開いた
途端闇本の中に吸い込まれるルリ
早い話が闇本自体が一種のカプセルハウスなのである
そこまで回想しても今の状況が理解出来ない
ルリ「も、もしかして・・・それが本になる前の姿・・・とか?」
闇本『いや、単なるおまけ要素みたいなモンだが。内側に篭ってる時まで本の形態とるのもおかしな話だからな』
ルリは首をかしげて?を頭の上に浮かべた
何で本の姿になるのがおかしいのか全く分からないといった感じだ
闇本『この状態の時だけは何でもかんでも自由自在なんだよ。それにお前もこっちの方が話し易いだろ?』
変な趣味とか無ければの話だがなと付け加える
まあ、確かに面と向かって話すのなら同じ目線で話したい
しかし、まさか人間になれるとは思ってなかったので素直に驚いた
ルリ「・・・ところで、この食材は一体何処から?」
目の前の料理に手を伸ばしながら訊いてみる
取り敢えず朝飯にするぞ、と闇本は歩いて行きその後に付いて行ってみると
目の前にはスクランブルエッグとベーコンレタスとパンのトリオが!
闇本『こんな体だからな。外界で調達するよりも自動生成した方が安上がりなんだよ』
パンにマーガリンを塗って砂糖を振りかけながら答える
ルリ「コスト削減化の波がこんな所にも・・・」
闇本『まあ、前例が無い訳じゃないぞ?かの有名なマンガに出て来た精神と○の部屋だって自動生成な訳だし』
まさかこんな所でその名前を聞くとは思ってなかったルリであった
よく考えるとあっちよりはデメリットは少ないなぁと気付いたが
外の状況が分からない点は一緒だと同時に気付いた
闇本『・・・でだ、お前はこれから如何するんだ?』
ルリ「闇本さんの片割れさん達を探します!」
闇本『おお、頑張れ。・・・・・・ん?』
テーブルの向こう側の彼女はガッツポーズしたまま笑顔
ミルクの入ったコップを持ったまましばし固まった
そして首を傾げて黙り込んだ
疑問とか善意とか興味とかが入り交じった今回は六ページ目となった
第六話
「闇本・人型形態」
完