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「これは・・・」
目を細めながら睨む
複数の獣のパーツを組み合わせて形作られる合成獣(キマイラ)
それに酷似した症例がルリの体を取り巻いている
根付いている具合から察するに、相当な時間を経てこうなったという事が分かる
「お前、これは何時かr・・・・・・な、何だ、そんなにまじまじと見て・・・」
ルリ「も、もしかして・・・闇本、さん?」
闇本「お、おう」
何故か迫力に押されてしまった
何だろうか、この言い知れない威圧感は
汗を一筋垂らしてルリの次の言葉を待つ
ルリ「人型に構成情報を変化出来るなんて。流石は『遍く事柄を記す本』なだけはありますね」
闇本「・・・・・・お前、何者だ?」
ルリ「ただの人間ですよ?」
闇本「ただの人間が、魔導者の間で呼ばれていた俺の別名を知っている訳無いだろう」
正直、その名を覚えているのはもう誰も居ないだろう
それだけ昔の事だ
今の時代の人間が知っている筈が無い
ルリ「『生命の灰色』って覚えてます?」
闇本「第三世界で会ったな。・・・いや、実際には見たと言った方が正しいか」
ルリ「それ、私の曽祖父です」
先程まではルリが呆然とする事が多かったが、今度は闇本が呆然とする番だった
脳内に思い描くのは生命の灰色と呼ばれる者の姿
誰が気付くんだ、と口の中で愚痴る
衝撃の事実が飛び出た今回は六ページ目と相成った
第六話
「その名を聞くのはこれまた懐かしい」
完
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