top of page

女だ
見紛う事無き女だ
細いラインとなだらかな曲線
何処から如何見ても女にしか見えない

 

スレイド「(あー・・・頭でもイカれちまったかな?)」

 

何で光が無い所で人間が目視出来るのかが解らない
なのでこれは夢だと、スレイドはそう結論を出そうとした
しかし女が口を開き、こちらに対して問いを投げ掛けてきた

 

女「世界の加護でも受けたのか?」

 

スレイド「は?」

 

言ってる意味が分からん
えらく透き通った声音だが、その表情は冷徹その物だ
俺が答えないのも無視して女は続ける

 

女「貴様は数少なき同胞となるのか。それとも物言わぬ虫ケラとなるのか。どちらだろうな」

 

スレイド「いや、言ってる意味分かんねえし、そもそもお前誰だよ、此処は何処だよ」

 

女「この闇に在ろうと自我を保っていられるというのなら・・・貴様は前者なのだろうな」

 

スレイド「お前は人の話を聞く気があんのか。いや無いな、絶対無い」

 

女は笑う
だがその目は笑ってないし
そもそも視線自体が冷たい気がする
背中を冷や汗が流れていく
別に恐怖を抱いた訳じゃない
何つーか、こう、薄ら寒い物を感じただけだ

 

スレイド「此処は何処かって聞いてんだよ。十秒以内に答えねえと、その真っ白な体をバラバラに分割して犯しちまうぞコノヤロー」

 

女「地獄を越えた場所だ」

 

即答かよ

 


第二転
「冷笑を浮かべる女」

bottom of page