top of page

地獄とは大きく出たモンだ
しかもそれを越えやがった
地獄の最下層であるトコの永窮冠獄は無視ですかそうですか

 

スレイド「んで、何で俺がそんな所に居るんだよ?」

 

女は静かに笑い、平然と言ってのけた

 

女「死んだからだ。それ以外に此処に辿り着く術は無い」

 

スレイド「・・・・・・」

 

口を開けたまま俺は停止した
死んだ?誰が?俺が?!
いや、待て待て待て。一回落ち着こうぜ俺
落ち着いても先程の言葉が頭の中で延々ループしてしまう

 

スレイド「何時死んだ?何処で死んだ?誰に殺された?何やってる時に死んだ?死んだのを知ってるって事はお前は死神か?!」

 

早口にまくし立てる

 

女「お前の場合は自然死だ。そしてその問いは同時に答えでもある」

 

俺は再度口を開けたまま停止
いや、まあ、何時か死ぬだろうなとは思ってたが、まさか自然死とは・・・
予想外にも程があるだろ、オイ
そして死んだって事はつまり

 

スレイド「殺すモンが無いって事じゃねえかよ・・・」

 

盛大な溜め息を一つ
殺す事だけが俺の生き甲斐
じゃあ殺せなくなったら?
生き甲斐を失った俺は如何なるんだ?

 

女「そうだな。殺害する為の方法も材料も失った貴様は、フェイクゴースト以下だな」

 

スレイド「よく分からんトドメあんがとさん。絶望越えて逆に清々しいよ」

 

ホントはすっげえ泣きてえけどな

 


第三転
「死の原因」

bottom of page