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そして時は流れた
正直、この十年は長かった気がする
転移してからの十年じゃなく、憑依してからの十年だ
環境が違う所為か俺も性格が随分丸くなっちまった
今じゃ殺しが如何のなんて頭の隅でホコリかぶってる位だ

 

スレイド「あー・・・・・・何で此処ってこんなに落ち着くのかねぇ?」

 

闇だ
前回の時と変わらず完全な闇
何つーか、こうも変化が無いと逆に変化が欲しいトコではあるが

 

スレイド「無理言っても仕方無えしなぁ・・・」

 

頭をポリポリと掻く
最近は何かと忙しかったからか、ボーっとする機会も無かった訳で
暗闇では何かをするという気力も湧かない訳で
つまり早い話が「来た意味全く無し」という事だ
腕を組んで突っ立っていると、前方から誰かが歩いて来た

 

スレイド「あ」

 

「む?」

 

女だ
どっかで見た様な女が歩いて来た
背格好は変わっちゃいるが、正真正銘どこから如何見てもあの女だ

 

スレイド「てめえ、何で此処に居やがる」

 

女「ああ、お前か。久し振りだな」

 

前回と同じ受け答えをする
若干口調が柔らかいのは気の所為だろうか?

 

スレイド「お前、何か雰囲気変わってね?」

 

女「まあな、あの後私にも色々あってな」

 

スレイド「何だぁ?男でも知ったとかか?」

 

冗談交じりに言う
それに女はしれっと

 

女「ああ、掛け替えの無い者を手に入れた。娘も出来たしな」

 

マジかよ
俺は口を開けたまま停止した
何かデジャヴってるが今は気にしない

 

スレイド「おいおい、娘ってお前、死神ってそういうのも許されんのかよ」

 

女「いや、まあ、色々あったのだ。それと私の名前は「お前」ではないぞ?」

 

スレイド「つかお前、名前名乗ってねえし」

 

リィス「む、そうだったか、すまん。私の名はリィスだ。改めて今後ともよろしくな」

 

スレイド「何その仲魔になるから発言。根本的なトコ変わってねえし」

 

リィス「お前からすれば私を如何にかする選択は無くなった訳だしな」

 

スレイド「かなり萎えましたとも。ホントだったら再会した時点で四肢切断して、二穴をガバガバになるまで犯し尽くしてたってのに・・・」

 

マジ残念だよ
その言葉を聞いてリィスは静かに言った

 

リィス「先に言えばよかったな」

 

スレイド「ああ゛?」

 

リィス「実は今回同行して貰っている」

 

あ?
そいつは一体如何いう意味なんだろうなぁ
何か冷や汗みてえなモンが背中をダラダラ流れていってるんだが
その原因はすぐ其処に居た

 

「詳しく話を訊かせて貰おうか」

 

冗談は抜きにしろよ、オイ

 


第六転
「口は災いの元」

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