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リィス「そういえば、憑依先の人間のその後は如何なのだ?」

 

斐綱「もぐもぐ」

 

俺達、未だに闇に居ます
しかも弁当食ってます、重箱サイズの
作ったのは斐綱らしいです
味は結構イケます。この出汁巻き卵なんかプロの域なんじゃないかと・・・

 

スレイド「もぐもぐ・・・ごくん・・・ああ、それなんだけどよ」

 

おっとと、ノドに引っ掛かるトコだった

 

スレイド「俺の魔導、宿主に権限ごと取られちまってな。あ、そこのピーマンの肉詰め取ってくれ」

 

斐綱「よく分からないけど、魔導って他人が如何こう出来る様な物なのか?ああ、これな、何個?」

 

スレイド「二個。俺の宿主が暮らしてる町は何かしら能力持ってる奴が居てな。別に珍しい事じゃないんだと」

 

リィス「能力者をそんなに密接させていていいのか?抑止存在は何をしているのだ・・・もぐもぐ」

 

スレイド「抑止存在って何よ、それ俺初耳なんだけど。・・・って人の皿からわざわざ大好物を持っていくな!」

 

リィス「ほお、昆布巻きが大好物とは地味な奴だな」

 

スレイド「地味で悪かったな!!」

 

斐綱「いや、昆布巻きって地味か?というか今全世界の昆布巻き好きを敵に回した気がするぞ」

言いながら味噌汁を啜る

「少し薄かったかな」とか零しながら

完全に主夫です、この人

リィス「抑止力に関しては説明は要らんと思うが、あれはいわば世界に根付く防衛機構。熟達した機能を持つ星なら自ら選定して任命する。だが原始段階で成長が止まっている様な未熟な星ではそもそも抑止力が生まれる材料は無いに等しい。・・・故に、別の星・次元などから抑止力となり得る存在を派遣するのだ」

 

スレイド「今就職氷河期だから大変だろうな。俺も忘れねえ様にメモっとこ」

リィス「現在は第三時空にある浄罪戦城と呼ばれる場所に抑止候補が数万人程収容されているとの事だ。ん・・・斐綱」

 

スレイド「俺、冗談で言ったんだけど。つか人前でいちゃつくな、お前等」

 

斐綱「あーん・・・もぐもぐ・・・ずず・・・いや、すまん。いつもの癖で」

 

毎日の習慣かよ
俺は心の中で「リア充、爆発しろ」と百回叫んだ

 


第八転
「料理が出来ない訳ではありません」

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